あなたの生産手段に安らぎあれ

久しぶりに長らく日記をサボってしまいました。10月もちょっと不定期になりそうなのでごめんなさい。
リハビリがてら軽いネタで適当日記。





モーニングショー玉川氏の「共産党、名前変えたら?」、志位委員長が絶対に譲らなかったワケ(加谷 珪一) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)
日本では赤狩りな長年の努力の結果なのか、あるいは当人たちの自業自得なのか『共産主義』という名前だけで忌避される、というのはまぁその通りでしょう。
でも私たち日本を取り巻く現代史として、そもそも戦後から冷戦時代のソ連の圧迫――更には今では中国など揃いも揃って「共産主義」を掲げていたものだから、まぁ条件反射的にそうなってしまうのもそれもやむなし感ありますけど。


さて、その上で、現状で彼らが掲げる共産主義の目があるかというと、やっぱり個人的にはあまりそう思えないポジションであります。

つまり、人間の思想を規定する下部構造を変えなければ社会変革は実現しない(つまり、劣悪な環境に置かれた労働者は十分な精神力を発揮できない)ので、下部構造を独占し、これを最適管理することによって社会を進歩させるというのが、マルクス主義の基本理念である(進歩史観あるいは史的唯物論)。

マルクスが提示した下部構造には、生産に関するあらゆるリソースが含まれていると思ってよい。

天然資源や農地はもちろんのこと、工場や鉄道など各種インフラ、従業員の労働環境や企業のビジネスモデルもすべて下部構造である。旧ソ連や中国などマルクス主義を採用する国の多くが主要産業を国営化し、5カ年計画などで計画経済を実施してきたのはこれが理由である(一方、自由主義的な資本主義社会では、市場メカニズムを上手に活用した方が、よりスムーズに問題を解決できると考える)。

モーニングショー玉川氏の「共産党、名前変えたら?」、志位委員長が絶対に譲らなかったワケ(加谷 珪一) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)

現代日本でも惹かれる人が少なくないように、まぁ確かに共産主義の理想だけ見れば完璧な作戦ではありますよね。
実現不可能だという点をのぞけば。


今更で当たり前な話ではありますけども、上記にもあるように共産主義を実現しようとするのであれば、生産手段を「最適管理」せねばならず、ということはそこで誰がか管理しなければいけないわけで。
――古今東西共産主義及びそれらの亜種たちがことごとく、文字通りの意味で全滅してきた理由がそこにあるわけでしょう。
我々ニンゲンにはそれらを正しく「計画」することも、正しく「運用」することもできなかった。
小規模であればまだしも、その社会が大きくなればなるほど計算しなければいけない要素は無限に増えていくし、その管理に掛かるコストも無限に増えてく。
かくして共産主義は、他ならぬ我々の性能限界により必然の結果として失敗してきた。
CNN.co.jp : キューバは「失敗した国家」とバイデン氏、共産主義も「例外なく失敗したシステム」
故にそれは、現代に生きるまぁ圧倒的大多数の人たちにとっては、もう考慮に値しない失敗したシステムである。


そしてもう一点、皮肉にも日本共産党自身が以前掲げていた「たしかな野党」という存在が逆説的に証明しているように、権力というのは絶対に腐敗するものであります。
その点で、アメリカの連邦主義者=弱い政府を望む人たちの言うことには一理あったりするんですよね。『小さな政府』であればあるほどいい。何故なら政府が大きくなればなるほど、政府が悪いことをする余地が増えていくのだから。
政治的腐敗の被害がほとんどそのまま権力の大きさに比例するということは、例えば生産に関するあらゆるリソースを管理しようとするとなれば、その腐敗と汚職の大きさという代償はいったいどれほどの……。


正しく最適管理できないだけでなく、その無限大に大きくなるだろう政治権力の腐敗もとても一掃できそうにない私たち。
共産主義が悪いんじゃない。それを実現できない愚かな私たちが悪いんや!



さて、一方で上記リンク先でも言及されていますけども、こうした我々の能力の限界をAIが補えばいい、という意見にはちょっと同意してしまう所ではあるんですよね。
もし我々の手で最適管理できないのであれば、AIにそれをやってもらえばいいじゃない。
そうすれば能力や腐敗の問題も全てスルー出来てしまう。政治も経済もみ~んなAIにやってもらえばええんや。
……ならば我々ニンゲンの存在意義とは一体???(SFの普遍的テーマ)


まぁそれはそれでマルクス主義とは似て非なる世界が出来上がってしまいそうですけど。
よくSFの議論なんかで出てくるスカイネットやシビュラシステムやアイサックなど『AI管理な社会』な世界を一度くらいは見てみたいと思っているので、その意味ではSF好きな僕も実は広義の共産主義マルクス主義者なのかもしれないね。


AIが普及した先にある共産主義の未来について。
みなさんはいかがお考えでしょうか?
 
 

通常日記

手抜き日記。
 

  • 台湾のTPP加入 米「実績や価値観が考慮されることを期待」 | TPP | NHKニュース
  • 「台湾の申請については「WTO世界貿易機関の責任あるメンバーとしての実績、そして民主主義という価値観が考慮されることを期待する」としました」
  • 「中国については「中国の市場に基づかない貿易慣行やほかの国々に対する経済的な強制力の行使が評価の際に考慮されることを期待する」と述べました」
    • この見事な二重基準よ。もちろん内心では多くの人たちが思っていたことではあるものの、これをここまであからさまに言えるようになっている、という事こそ新たな国際関係の時代に入っていることの証左だよねえ。2021年っておもしろいなあ。

 

 

 

 

 

 

  • カキは高潮を食い止めている、その理由とは? - GIGAZINE
    • 浄化に関しては東京オリンピックでも言われていたので知っていましたけども、高潮もそうだとは知らなかったなあ。でもカキおいしいからね。仕方ないね。
    • といってもこれも所謂ワクチンルーレット同様に極小ながら絶対に「アタリ」を引く可能性があるわけですけど。そういえば反ワクチン派――とまでは行かないにしても『忌避』なレベルの人でも、やっぱりこういうカキのリスクも避けているのかなあ。いやまぁ最近の行動経済学が教えてくれるように、人間なんて不合理なんだからと言ってしまうと身も蓋もありませんけど。

 

 

 
 

通常日記

手抜き日記。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 驚異。1年経っても稼ぎ続ける原神。他のオンラインゲームと一線を画する理由 - Kultur
    • サービス開始以来ほぼ毎日日課をやるくらいにはプレイしている現役としては、割と納得できるお話。プレイヤー評価としてはVer1.3辺りのイベント評価=悪名高き海灯祭がクッソ悪かったのが多分一番低迷期で、そこからきちんとアンケートを参考にしたのかその後開催されるイベントは改善され続けているのがよく解ります。
    • もちろんまだ一年という理由もあるけれど、きちんと新キャラクターが新しい操作感覚で楽しめるように工夫されているし。ただ、ガチャの限突のバランスが今でも割とギリギリだしこの所謂凹調整*1に関してはずっと爆弾を抱え続けていくと思うので、そこでミスったらまたあっさり炎上すると思う。

 
 

*1:同じキャラクターをガチャで複数引いて限界突破しないと本来の性能が発揮できないような調整。

ワナビーな野党

なれたらいいな、とは思っているものの、しかし楽に惰性でやっていける現状の生き方を変える気が無い人たち。


菅義偉政権には失望。それでも野党の支持率が上がらない理由 | ハフポスト
うん、まぁ、そうねえ。今回もやっぱり同じ構図になりつつあって、割と現代日本政治における『最大の謎』といってもいいかもしれない、面白いネタではあるよね。

吉田教授は共闘の必要性を認める一方で、今回合意した共通政策の中身について、厳しい見方を示した。

「これまでの自民党政権の政策の批判が主で、反自民の支持を固めるためのものでしかない。多くの有権者が争点として重視する景気や雇用対策、マクロ経済政策(財政政策、金融政策)はどうするのか」

「それらを示したうえで、自民党とは違う国家や社会をつくるために野党は共闘するのだと説明しなければ、『単なる選挙互助会』と批判されるだろう」

菅義偉政権には失望。それでも野党の支持率が上がらない理由 | ハフポスト

ぐう正論。


未来はまだ変えられる――野党はコロナが照らし出した日本の根本問題と向き合え|三春充希(はる) ⭐みらい選挙プロジェクト|note
一応フォローはしているものの(国際関係では割とアレなことをいう評価な人なので)支持率調査以外はあまり真面目に見てはいなんですが、この人もこの件に関して似たようなことを言っていてかなりド正論だよなあと。

 野党に課された役割として、これまでの自公政権の総括や検証をすることは確かに重要です。けれども今の野党が政権を担うことを考えるのであれば、あるべき社会の姿を描くということを避けては通れません。

未来はまだ変えられる――野党はコロナが照らし出した日本の根本問題と向き合え|三春充希(はる) ⭐みらい選挙プロジェクト|note

ぐう正論(二回目)。


ともあれ、結局この問題って「能力の問題」か「意志の問題」か、という根本的で大前提なお話になるとはちょっと思っているんですよね。
――つまり個人的なポジションとしては、そもそも、野党の人たちって政権を本気で取ろうとは思っていないよね。いや、取れたらいいな、ぐらいには思っているかもしれませんけど。取りたいとは思っているものの、そのために何か具体的な行動を起こそうとは思ってないし、その為に身を切る=既存支持層との間にジレンマや摩擦を起こすつもりもない。


その一方で、現実に実現できる可能性がより高いという点で、上記お二人が指摘しているような「あるべき社会の姿を描く」ことを自民党総裁選候補たちがやっているのは、すごい皮肉で愉快なお話だよねえ。上記二人は実は自民党応援団なのでは???
もちろん立場の違いに決定的な差があるものの、まさに彼らが野党に苦言を呈していることと真逆の意味で、ガチの本気で「首相になろうと思っている」人たちが争う自民党総裁選がこうやって盛り上がっているのも、だからそこまで不自然ではないんですよね。
「あるべき社会の姿を描く」ことを本気でやっている人たち。
(だからその意味で、自分がどうしても実現したい政策がある政治家が、野党を捨てて『自民党に入る』という選択肢はそれなりに合理的でもある)




もちろん「自民党とは違うことをやります!」と堂々と主張したっていいんですよ。
そうすれば「自民党じゃなければ何でもいい」という一部有権者たちのある程度の支持を集め続けられることは間違いないんだから。
それはひたすらローコストな戦略で、やっぱりこちらも合理的ではあるんですよね。政権交代なんて考えずに、ひたすら野党として自公政権の失態(それがあるのは否定しようがない)を論っていればいいんだから。そうすれば少なくとも仕事をしているフリはできるし、更にはそれだけでなく一定程度の有権者の支持を集めることまでできてしまう。
なんておトクな戦略!


――でもそれって、実際の現実政治が証明しているように絶対にマジョリティとなるほどの射程は持たない主張であります。
いや、10年前なら一度はそれで通用したんですけども、(あの政権交代有権者が忘れてくれるまで)二度目はなくなってしまった。
ついでに言うと「口で文句ばっかり言うものの自分ではまるで手を動かさない上司」というのは、若者たちが嫌悪する共通認識にすらなってしまっている現代日本社会。年功序列なんてクソくらえであります。無能なオジサンには生きづらい世の中になってしまった。




なれたらいいな、とは思っているものの、しかし楽に惰性でやっていける現状の生き方を変える気が無い人たち。
一昔前に流行っていたワナビーかな?
うっ……日記を書いていて耳が痛い……。ま、まぁ明日から本気出すからセーフ。だから僕も野党の人たちが楽なポジションでいようとするのはすごく解ります。


ということで無責任なアドバイスをするならば、憲法改正しない代わりにもっと全力でアベノミクスをやります、とやれば僕はいいと思うよ。
でもそれが言えないのが現代日本の野党な人たちだよね。
いや、そのこと自体は批判するつもりはないし、それで実際に選挙で『ある程度(ここ重要)』勝てるならばやっぱり合理的な戦略だとも評価できますけど。文字通り「(議席数)二位じゃダメなんですか?」理論をガチでやっているのすごいよね。その通りまったく悪くない。


本気で政権を取る気のない、ように見えるワナビーな野党たちについて。
そして少なくとも本気で自分が首相になろうとしている、腐った政治家な自民党の総裁選候補者たちについて。


みなさんはいかがお考えでしょうか?
 
 

通常日記

手抜き日記。
 

 

 

 

 

  • 共産「暴力革命」変更なし 志位氏、デマ攻撃と非難―政府見解:時事ドットコム
    • なんか割と盛り上がっていたアレ。地方議員になら全然票は入れてもいいけれど、かといって『政党』としては普通の民主主義政治と縁遠そうな人たちなのでこれからも投票する気はないかなあ。党員投票で勝ち続けているならともかく、非公選で20年以上同じ人間がずっと党首やってるってマジ異常だと僕は思うよ。暴力革命はともかく、そんな人たちが民主主義政治云々を言うんだからとってもハラショーだよね。

 

 

 

 

 

人類には早すぎた『最大多数の最大幸福』

やっぱこれからは自国ファーストなポピュリズムの時代なんだよなあ。トランプ最高!


ワクチン2回接種 人口の50%超に 接種開始から7か月 政府公表 | 新型コロナ ワクチン(日本国内) | NHKニュース
ということで本邦でも着実にワクチン接種の数字が積みあがっているそうで。当初そんなペースは無理やろ~と懐疑的に見ていた僕ではありますが、これは素直に日本SUGOIと評価できるのではないかと思います。


CNN.co.jp : 「接種完了」の定義が変わる可能性も、ブースター接種の勧奨で 米CDC所長
ブースター接種、「全員に必要ではない」 英ワクチン開発者が主張 - BBCニュース
途上国での接種加速へ “少なくとも年末まで3回目控えて” WHO | 新型コロナ ワクチン(世界) | NHKニュース
ともあれその一方で、更にその先、「三回目」に向けて動きつつあるのが世界のトレンドでもあり、またそれに反対するWHOでもあるわけで。

テドロス事務局長は8日の記者会見で、先進国がWHOなどが主導する国際的な分配の枠組み「COVAXファシリティ」に寄付したワクチンが当初の約束の15%未満にとどまり、途上国への分配が遅れているとして「これ以上の約束はいらない。必要なのはワクチンだけだ」と先進国側を批判しました。

そして感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」の感染拡大を受け、先進国を中心に3回目のワクチン接種の動きが広がっていることについて「すべての国で少なくとも人口の40%が接種できるよう、年内は追加の接種を一時的に停止するよう求める」と述べ、ワクチンを追加接種に充てる前にCOVAXに寄付するよう呼びかけました。

WHOは先月、途上国での接種を加速させるため今月末まで追加の接種を行わないよう呼びかけていましたが、先進国と途上国の格差が広がる中、改めて各国に協力を求めた形です

途上国での接種加速へ “少なくとも年末まで3回目控えて” WHO | 新型コロナ ワクチン(世界) | NHKニュース

いやあニンゲンの業って罪深いよねえ。
イスラエル 3回目ワクチン接種の対象、12歳以上に拡大 | 毎日新聞
先日も通常日記でイスラエルの試みについて書いた時にも少し触れましたけども、イスラエルが世界に先駆けて三回目に進んでいるのは理解できるんですよ。
普段から「世界を敵に回してでも生存する」事をあけすけに掲げ、実際に周辺諸国にそうした態度を隠そうとしない彼ら彼女らがそれをするのは、むしろ言行一致するとさえ言える。
――ところがぎっちょん、ほんの数年前まで自国第一主義を掲げたトランプ政権をあれだけ批判していたヨーロッパ諸国までもが、こぞってワクチンを買い占めている姿を見るのは愉悦部的にもこれ以上ないほど愉快な光景だとポップコーン片手に楽しんでおります。
パンデミックから抜け出す方法 追加接種のイスラエルから分かること - BBCニュース
イスラエルの「三回目接種」がほとんど効果ないと証明されればいいのにね。
もし、それで効果があると実証されてしまったら……。
既にそうなりつつあるのに、更なるワクチン争奪戦という醜い争いが続くこと間違いなしであります。


もちろん私たち日本人も他人事ではなくて、全世界で一回目接種の範囲を広げ感染者の総量を減らす『最大多数の最大幸福』という視点から見れば途上国に渡すべきワクチンを金で買い占め自国に優先させているんだから。
普段からジャパンファーストを言っている人たちはともかく、宇宙船地球号SDGsのような「誰ひとり取り残さない」ことを掲げていたのにワクチン接種が遅い! と政府を批判していた人たちの馬脚が期せずして見えてしまって、とっても愉快な気持ちにはなってしまいます。
逆説的に、こうした状況下にありながら「世界にワクチンを寄付すべきだ!」と(反ワクチンではないのに)きちんと主張していた人がいるなら、その人はマジのガチの本物なので今後も応援していけばいいと思います。
選挙で勝たなければいけないはずの政治家がそれを言っていたら政治的自殺だとも思いますけど。
「日本が買ったワクチンは日本だけのモノではない」なんて。
民主党政権……うっ、頭が……。*1




ここでもう一つすごく面白いのは、こうした全世界でのワクチン分配というマクロな構図で私たちがその『最大多数の最大幸福』を実現できないのって、ほとんどそのままよりミクロな自国内でもそれがなかなか上手くいかない理由そのものでもある点だと思うんですよね。
――つまり、自集団の利益を最大化しようとする人たち(ここではワクチンを買い占めている先進国の私たち)が、世界全体の利益なんて知ったことではないと利己的に振る舞うからその理想はいつまでたっても実現できない。
まぁそれって国内的な構図で見れば、政治的コネを持つ有力者やお金持ちなど雑にまとめてしまえば『上級国民』とされる人たちの利益が優先される構図、そのままでしょう。


普段は国内的に『上級国民』を論っている私たちが、世界的に見れば『上級世界市民』としてワクチン接種が優先されていることに疑問を持つどころか、むしろ「もっと急げ」「もっと多くワクチンを確保しろ」と自国政府を批判している構図。
いやあニンゲンの業って罪深いよねえ。(二回目)


そりゃ国内政治でも上級国民優先な政策が無くならないはずだよね。多分日本社会の上級国民な彼ら彼女らも、今のワクチン政策に文句を言っている私たちそのまんまの我欲に塗れた姿をしているんじゃないかな。
そしてそれは、おそらく、私たち人間のある種普遍的な姿でもある。
しかし、それでも、わずかな希望はあって。多分世界的なワクチン分配よりも、国内的なそれの方が解決する可能性が高いことでしょう。(それとは逆に、自国民より世界市民を優先させるなんて堂々と言える政治家なんて存在できるのだろうか?)
「我らは一蓮托生!」「ジャパンファーストだ!」と自国第一主義な扇動で大きな政策を実行できる可能性がまだあるから。
それが幸福なことなのか、あるいは不幸な事なのかはわかりませんけど。


未だに自分たち周辺のミクロな人的利益を優先させてしまう、人類には早すぎた『最大多数の最大幸福』について。
みなさんはいかがお考えでしょうか?
 
 

*1:その意味で言えば、やっぱりあの鳩山さんはガチのマジの本物の人だったと思うんですよね。やっぱり政治家としては致命的に向いてないと思いますけど。

アフガニスタンの仏像のように崩れ落ちたアメリカ軍

かつて話題になったタリバンバーミヤン大仏破壊の時モフセン・マフマルバフ氏の箴言を思い返すと、これ以上ないほど趣深いと思うんですよね。
世界で最も強大なアメリカが「関心を持った結果」がコレですよ。

「ついに私は、仏像は、誰が破壊したのでもないという結論に達した。仏像は、恥辱の為に崩れ落ちたのだ。アフガニスタンの虐げられた人々に対し世界がここまで無関心であることを恥じ、自らの偉大さなど何の足しにもならないと知って砕けたのだ」

穢れた聖杯にでも願ってしまったのかな?





【解説】 9/11から20年、アフガニスタンで学ばなかったかもしれない教訓 - BBCニュース
ということで今年も『9・11』を迎え「あれから20年」であります。

世界各地で20年続いてきたテロリズムとの戦いにおいて、私たちは何か教訓を学んできたのだろう。何がうまくいって、何がうまくいかなかったのか。そして、過激派勢力アルカイダをかくまった武装勢力が再びアフガニスタンを支配するようになった今、私たちは2001年9月11日の朝より、私たちはいくらかでも賢くなっているのだろうか。

【解説】 9/11から20年、アフガニスタンで学ばなかったかもしれない教訓 - BBCニュース

結局タリバンが戻ってきたオチでした。おわり。
……これじゃ20年一体何をしていたのだろうか、と多くの人たちが思わず遠い目になってしまうのも仕方ない。


かつてモフセン・マフマルバフさんが日記冒頭のような素晴らしい言葉を残していましたけども、ここでひたすら皮肉だなあと思うのは、今回は「無関心」ではなく「関心」の果てにこの光景が生まれてしまっていることでしょう。
無関心であろうが関心であろうが、結局はタリバンが支配するアフガニスタンになってしまった。



――もちろん『関心』の持ち方が間違っていたのだ、という身も蓋もない正論を言うことはできるんですよ。
関心の持ち方に失敗した。まぁそれは反論の余地なくその通りなのでしょう。
ぐうの音も出ない正論であります。
それこそ上記モフセン・マフマルバフさんがこの20年のアフガニスタン動乱中にずっと言い続けてきたように、アフガニスタン原理主義から抜け出させる為に、ミサイルではなく本を、地雷ではなく小麦を撒いていれば良かったのかもしれない。
しかし対テロ戦争という『戦争』の文脈無しに、そもそも我々はアフガニスタンに関心を持てただろうか、と本邦社会を顧みるととてもそんなことは言えないんですよね。
今ですらSDGsを叫んでおきながら*1タリバンは20年前と違う!」とか見たいモノを見ようとする人たちがいっぱいですよ。もちろんそうしたアレな人たちだけでなく、日本がアフガニスタン支援で果たした役割はそれなりに大きいとも思っているし、割と日本の貢献は評価されているらしいですけども*2、ただそれらの個人の善意は決して日本社会全体の相違にもよるものとはとても言えない。金メダルを獲っても偉いのは選手個人なんだもんね。日本人が平和でさえあればいいんだもんね。




かくして我々は、ついに、ようやく、今更、またもや、アフガニスタンの虐げられた人びとに対し無関心であろうと再び心を決めつつある。
下手に関心を持ったことの反省として、無関心へ。
ベトナム戦争って無意味だった - maukitiの日記
ベトナムのような無意味な戦争にさせない、と努力したはずがまったく同じ結末に。まるで成長していないどころか、その無関心さは更に悪化してしまった。

「ついに私は、アメリカ軍は、誰が破壊したのでもないという結論に達した。アメリカ軍は、恥辱の為に崩れ落ちたのだ。アフガニスタンの虐げられた人々に対し自らががここまで無関心であることを恥じ、アメリカ軍は自らの軍事的優位など何の足しにもならないと知って逃げ帰ったのだ」

奇しくもまったく同じ相手=タリバンによって、バーミヤンの石仏のように崩れ落ちてしまったアメリカ軍。
いやあこれが「アフガニスタンで20年かけた学んだ教訓」だなんてね。


みなさんはいかがお考えでしょうか?

*1:『SDGs』対『タリバン』という大盛り上がり間違いなしの怪獣大決戦がはじまる……か? - maukitiの日記

*2:「マフマルバフ監督は「20年で最もアフガニスタンのために動いたのは日本」と話す。日本政府のインフラへの貢献は大きかったうえ、多くの日本人が現地での教育活動を物資や資金面で支えたという。」「真実は一つ」の呪縛を解け モフセン・マフマルバフ氏: 日本経済新聞