通常日記

手抜き日記。
 

 

  • NATO、フィンランドの加盟手続き中に防衛支援表明 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
    • これは逆に曖昧性を完全に切り捨てているやつ。曖昧性を持たせればgdgdになってしまうし、かといって上記核兵器でも同様に曖昧性を持たせなければそのライン以下全てOKだと見透かされてしまうし。私たちにミクロな生活でもよく見る行動経済にも繋がるまぁむつかしいお話だよね。
    • なまじ我々が知恵を持っているせいで世界は無限に複雑になっていくのだ。逆説的に陰謀論的世界観が、その『陰謀』という言葉とは裏腹に、世界をものすごく単純な世界観として見ているのは面白い構図だと思ってます。

 

  • ロシア、金本位制復帰検討 実現なら1世紀ぶり:時事ドットコム
    • 今どきのなろう小説でも言わないやつきた。いや、あんまりそちらの界隈には詳しくないので、もし出てたらごめんなさい。
    • ただまぁ実際にそれが可能なだけの金をロシアが持っていたらそれはそれで世界経済大混乱なので、正義の特別軍事作戦を遂行しているロシアならその切り札を使って国際社会に反撃ののろしとなるかもしれないし、経済学的な意味でも見たいか見たくないかと言われればかなり見たい。

 

 

 

 

 

 

 
 

通常日記

手抜き日記。

 


 

 

 

  • ドイツ、日本重視に転換: 日本経済新聞
    • ロシアから「ヨーロッパ外」の敵と見做されることに意味があるということを書いてきましたけども、これもポジティブな方で同じだよね。中国ではなく、リベラルな国際秩序を維持する側にいる日本を選ぶ、という外交的意味=日本の価値について。皮肉にもそれがピンチになることで逆に日本の稀少的価値が高まっているっていうね。
    • 欧米から利用されていると言えばまぁその通りなんですけども、ぶっちゃけ昔から我が国は不沈空母だもんね。


 

  • 上海当局、住宅前にフェンス設置し移動制限 市民ら困惑 - BBCニュース
    • 遅々とした歩みながらも緩んできた日本とはマジで逆方向に向かっていて現代中国って面白いです。
    • 日本のマスクなどのコロナ対策について世界から遅れている、という批判は少なくありませんけども、こうした中国の対応は一体どのくらい遅れている(あるいは進んでいる)のか気になる所だよね。

 

 

 

 

  • TVが真実を伝えないロシアで、陰謀論集団「Qアノン」がプーチンを疑いはじめた|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
    • クッソ面白いやつ。以前から書いてきましたけど、やっぱりこういう人たちはある面で誠実だと思うんですよね。だって大手メディアは常にウソを付いているという一貫したポジションで、反ワクチンをやっており故に今回の戦争の大義をウソだというポジションに立とうとしている。一貫性はあるよねえ。
    • この辺の構図は、例えば「親政権」や「反政権」な政治的()活動に熱心すぎる人たちも同様で、政権交代すると途端に『政府』が邪悪もしくは清廉潔白になると確信しているのはちょっと面白いよね。愚者ながら少なくとも誠実であるフリをしようとしている僕としては、2009年ころの経験として学ぶとやっぱりどちらの意味でもそこまで*1変わらないと思うょ。

 

 
 

*1:といってもその僅かな違いこそが重要である、という意見には賛同します。

「フリー防衛費の時代」のおわり?

私たち日本も「あの時代は実質タダで防衛できてよかったなあ」と懐かしむ時代がやってくるのだろうか。


防衛費増額「GDP比2%以上」 賛成55%、反対33%: 日本経済新聞
割と衝撃的な数字が出てきた感。軍靴の足音が聞こえるね。
防衛ジャーナリストが自衛隊に「火事場泥棒」発言 元司令官「許せません」/芸能/デイリースポーツ online
うーん、まぁ、そうねえ。

 安全保障に関する自民党提言の中で防衛費について「GDP比2%以上を念頭にする」という案が出てきた。2021年度はGDP比1・09%となっている。ロシアのウクライナ侵攻で防衛に対する意識が変わってくるタイミングでの提言。香田氏は「この時期に『反撃能力』(敵基地攻撃能力の言い換え)と2%。問い詰めれば根拠なき2%と言っていいと思うんですけど、自民党がこのタイミングで出すというのが政治的な戦略が欠けていたかな」と苦言を呈した。一方で「予算を配分した時に、何%が適切かということは政府と自民党は建設的な意味として(話し合いを)やるべきだと思う」と現実的な議論の必要性も説いた。

 ここで半田氏は「『反撃能力』っていう言い方と今回のウクライナ侵攻が重なって見えるわけですよね。しかも突然GDPの2%を出したわけですから、ウクライナ侵攻に乗じて今まで実現できなかったことを一気呵成(かせい)にやっていこうと、言葉は悪いですが火事場泥棒のような印象を国民に与えかねない」と厳しく批判した。

防衛ジャーナリストが自衛隊に「火事場泥棒」発言 元司令官「許せません」/芸能/デイリースポーツ online

その数字の中身が実際にあるかどうかともかくとして――後述するように僕もそこまで厳密な中身があるわけではないという点には同意するものの――しかし、その「2%」という数字が、突然、出てきたわけでは絶対ないよね。
NATO事務総長「ドイツは防衛費支出の公約順守すべき」 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
国防費のGDP2%達成、11カ国に増加 NATO報告書: 日本経済新聞
それこそここ数年の、今の戦争の当事者となりつつあるNATOではずっとのその防衛費2%ラインが議論され続けてきたのだから。
我々は自らの集団安全保障体制にコミットしており、その結束は揺るがないという言葉にとどまらない行動の最初の一歩として。
であればこそ単純にアメリカの要求だけではなく、その中身のない数字目標はNATO加盟国全体の目標としてきたわけだし。


NATO各国それぞれ事情が違うにもかかわらず何故その「2%」という数字が言われてきたのかというと、それはまぁ身も蓋もなく言えば「見栄」であり、良く言えば相手への「メッセージ」でもあるからなわけでしょう。
それはやっぱり言葉だけじゃ伝わらないメッセージでもあります。
意志ではなく能力を示すことこそが。
その意味で、上記軍事ジャーナリストさんが仰っているように、確かに問い詰めれば根拠なき2%だという指摘にも一理あるんですよ。まぁとりあえずGDPの2%を防衛費に注ぎ込んでいるのであれば一定以上の軍隊を持っているだろう、なんて。

日本の歴代内閣は1%以内に抑えることを目安としてきた。岸田文雄首相が就任した直後の21年衆院選で、自民党は2%以上を念頭に増額を目指すと掲げた。防衛白書(21年版)によると、各国が公表している予算額に基づく分析で米国は20年度に3.29%、ロシアは3.09%だった。

米欧30カ国で構成する北大西洋条約機構NATO)は加盟国に2%以上の水準を求める。

防衛費のGDP比とは NATOは2%以上要求: 日本経済新聞

しかし、おそらくその数字基準は概ね世界に受け入れられている数字でもある。




ともあれ、こうして日本にまで波及してきた火事場泥棒()なNATO2%目標が広まったそもそもの原因と言えば、まぁクリミア併合でもあったわけで。
トランプ氏、NATO加盟国の防衛支出増を要求 ドイツを名指し批判 - BBCニュース
そしてそこからその負担費をめぐってのNATO内でのアメリカとの不協和音な構図が生まれるわけであります。クリミアがあったにも関わらず、防衛費を増大しようとしないドイツどの関係に好機を見出したトランプによってむちゃくちゃに。

しかしその後、ツイッターではドイツを含む同盟国への非難を繰り返し、「ドイツがロシアのガスとエネルギーに何十億ドルも払っているようでは、NATOは何の役に立っているのか。どうして29カ国中5カ国しか約束を守っていないのか? 米国は欧州の防衛のために金を払って、貿易で何十億ドルも失っている。2025年まででなく、今すぐにGDPの2%を払うんだ」と書いた(太文字箇所は原文では大文字で強調)。

トランプ氏、NATO加盟国の防衛支出増を要求 ドイツを名指し批判 - BBCニュース

でもやっぱりその機会主義っぷりはともかくとして、結果論としてみれば正しかったわけでしょう。

  • ロシアのガスを買うのをやめろ。
  • 2025年と言わず今すぐ防衛費を増やせ。

トランプはウクライナを守るために2022年からタイムリープしてきたのかな???
トランプが献身()したおかげで、今のウクライナ情勢に多少なりともポジティブな影響を与えているのは間違いないんじゃないかな。
ああしてNATOの防衛費問題でむちゃくちゃしていると思っていたはずが、まさかトランプに感謝するときがやってくるなんて。いやまぁトランプが言うことだからと逆張りインセンティブを生んだ可能性はそれなりにありそうですけど。


クリミアをオバマが放置し、クリミアでトランプが煽った結果、防衛費2%神話がついに日本にまでやってきてしまった。
ということで防衛費GDP2%に不満のある人は、クリミア併合したプーチンを責めるべきだし、そして二番目に責任の重い=事実上クリミア併合を黙認し現在の状況を招いたオバマ(及びメルケル)さんのせいだし、もしくはアメリカの負担軽減という外交的成果を得ようとNATOで煽ったトランプさんのせいにすればいいんじゃないかな。


どちらにしてもなんもかんもクリミアが悪かったんや!
(今のウクライナ侵攻を見ながら)ぢゃあ何で2014年のクリミア併合の時何もしなかったの???
――と純真な目をした子供に聞かれると「ぐぬぬ……」としか言えないよねえ。当時は当時で我々大人も色々あってつらかったんや……。きっとミュンヘン会談のあの時の大人も同じことを思っていたんだろうなあ。



みなさんはいかがお考えでしょうか?
 
 

通常日記

手抜き日記。

  • フランス大統領選挙 現職マクロン氏 当選確実 公共放送 | NHK | フランス
    • はい、いつもの。こうしてフランスはいつものように巨悪ルペンを退治して新たな大統領が誕生するのだった。完。「信じることさ必ず最後に自民が勝つ」な日本とどっちがマシかと聞かれるとやっぱり困っちゃうよね。
    • 一方で欧米対ロシアの構図が今後も続いていくことの信任でもあって、勝っても負けても世界が変わっていく音がするよねえ。そして5年後に次のルペンがどうなるかというと……。

 

  • ウクライナで国際法が「打ち捨てられている」と国連 事務総長はロシアとウクライナへ - BBCニュース
    • それはそうなんだけど、概ね今回の衝撃と言うのは(国際社会=欧米社会が考える)「文明圏で」という前提が付くお話なのがまた救えないお話。それこそ現在進行形で東南アジアや中近東やアフリカでは現に無視されているものの、それは大きなニュースにはなって来なかったのだし。
    • その意味で、ジャーナリズムについての金言である「犬が人を噛んでもニュースにならないが、人が犬を噛むとニュースになる」構図だよね。

 


 

 

 

 

  • 「月曜日のたわわ」を人々はどう見るか/田中辰雄 - SYNODOS
    • サイレントマジョリティはどこにあったのか、という論点で見るなら面白いお話かなあ。
    • もちろん多数派だから正義だというわけでは絶対にないものの、「配慮すべき」一定のラインをどこに設定するかについてはその多数派意見は参考になるんじゃないかな。それこそ髪や素肌を出すだけで「けしからん!」という社会だってあるのだし。そういう社会にもケンカを売って文明の衝突をやりたいのならば止めませんけど。

 
 

「モラトリアム欧州の時代」のおわり?

「戦うべきか、戦わざるべきか」
先日のそもそも独裁者プーチンに『非暴力抵抗』は国内で通用しているのか問題 - maukitiの日記の続き的日記。




ウクライナ侵攻を予言した教授、次の予測は「ロシアは弱い国になる」 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
ウクライナ侵攻の予言はともかくとして、しかしこの方の言っている変わっていく欧州という論点はすごい面白いなあと。

ジェットコースターは、大きな急降下をしたところですが、この先、何回の急降下があるかは分かりません。私は66歳ですが、この戦争(ロシアのウクライナ侵攻)はおそらく私の人生で最も重要な戦争となる。結果にもよる面もありますが、欧州のみならず、アジア、世界秩序にとって記念碑的なできごとになるでしょう。

――欧州にとどまらない重要さとは?

 この戦争は第一に欧州の安定にとてつもなく重要な意味を持ちます。それにとどまらないのは、隣国による侵攻で国を破壊される事態に直面した際に、国の存在を守る権利があるのか、という問題が改めて提起されたことです。

 自由な人々が自分たちの生存権のために戦い、自由を勝ち取ろうとしている姿は、私たちの心を揺さぶります。世界中の国々で人々が鼓舞されている。ロシアが苦戦する姿は、中国をはじめとする国には警告にもなります。

ウクライナ侵攻を予言した教授、次の予測は「ロシアは弱い国になる」 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル

変わる欧州、というのはやっぱり今回のウクライナ侵攻における「プーチンの暴走」「ウクライナの覚悟」そして「ヨーロッパの変化」と並べる位には重要なテーマではありますよね。


戦うべきか、戦わざるべきか ウクライナ侵攻が問う戦後日本の平和論 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
先日の日記で引用した朝日新聞の記事に「戦うべきか、戦わざるべきか ウクライナ侵攻が問う戦後日本の平和論」というタイトルが付けられていましたけども、問われているのは我々日本だけじゃなくて、それは欧州も同様なんですよね。
――いやむしろより距離的に近接している分彼ら彼女らの方がずっと当事者意識が強いとすら言える。
そこで想田先生は「戦わない」という主張なさっていたわけですけども、その一方で少なくとも「戦う準備はしておく」という覚悟を完全に決めつつあるのが現在のヨーロッパ諸国の状況でもあるわけで。


先日の日記でも書きましたけど、別にヨーロッパとは違う答えを出している想田監督のような『降伏』という選択肢が悪いと言うわけじゃないんですよ。
少なくとも何も決めずに「対話」や「外交努力」など実質何も言っていないようなモラトリアムな態度よりは、何かを決断しているという点でずっと誠実であります。
すなわちエドワード・ルトワック先生流に言えば、国家の安全保障を考える上での基本戦略としては『降伏』『先制攻撃』『抑止』『防衛』の4つがあるわけで。そこで彼はシリア内戦を例に、あるかどうかわからない(実際になかった)国際社会の支援をする位なら、反政府勢力はさっさとアサド政権に降伏すべきだったと指摘しているんですよね*1
その意味で、おそらく国際社会(あるいはアメリカすらも)は日本を助けてくれないだろうというポジションに立つならば確かに『降伏』は一つの選択肢ではあります。
人道主義的であろうとする想田監督が結果として、ガチガチな国際関係論の大家であるルトワック先生と同じ事を言っているのはホント面白い構図だと思ってます。



つまるところ、日本だけでなくヨーロッパに住む平和を愛するリベラルな私たちが、特に冷戦後から今まで「対話で解決できる」「国際社会が助けてくれる」と言いながらも実質何もしないモラトリアムな時代を過ごしてきたのは、まぁ概ね間違っていない指摘ではあるのでしょう。
ところがロシアが変わり、ウクライナは戦うことで国際社会(=欧米)の支援を得ることで、いよいよヨーロッパは変化しつつある。
ウクライナ侵攻受け「防衛費増額」 自民、提言案了承 軍拡競争懸念も | 毎日新聞
防衛費「GDP2%」に否定的 山口公明代表:時事ドットコム
はたして日本はどうなるんでしょうね?


「戦うべきか、戦わざるべきか」
平和を愛しながらも、その覚悟を決める、その準備をしておく、というのはなかなかジレンマな難しいお話ではありますよね。個人的には、再びモラトリアムに逃げ込むくらいなら日本には「ヨーロッパはもう飛び込もうとしていますよ」とアドバイスはしたくなるかなあ。
みなさんはいかがお考えでしょうか?
 
 

*1:『戦争にチャンスを与えよ』

通常日記

手抜き日記。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 吉野家常務“女性 薬物中毒なるような企画を”趣旨の発言 謝罪 | NHK
    • なんかものすごく盛り上がってたやつ。「トンボ鉛筆の佐藤」と同じく語り継いでいきたいパワー発言であります。「生娘シャブ漬け」がサジェストとして出てくる吉野家としてがんばれ。
    • しかしまぁ生娘にしてもシャブ漬けにしても、同じオジサンとしては割と微妙にワードチョイスが古くて無理して若者に合わせようとしている感が(自戒も込めて)透けて見えてキツい。

 

 

 

 

 
 

そもそも独裁者プーチンに『非暴力抵抗』は国内で通用しているのか問題

通用するのであればまず隗より始めるべきなのはロシア国民であるべきだし、もし(現状どう見ても成功しているように見えないロシアのことを知っていながら)ウクライナ国民にそれを言っているのであればこれ以上ないほど残酷なことを言っているよね。


戦うべきか、戦わざるべきか ウクライナ侵攻が問う戦後日本の平和論 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
うーん、まぁ、そうねえ。
普段は想田先生のユニークでオルタナティブな面白発言に対して割と当日記でも批判的に書いていますけども、まぁ今回の件は確かに選択肢の一つではあるんですよね。個人的にも、座右の銘の一つが『順法闘争』であることを隠して生きている僕にとっては、非暴力抵抗運動というのは割と好みの選択肢ではあります。
例えばルトワック先生なんかも、危機に際して何もしないのが最悪であって自発的降伏はそれよりはずっとマシな選択肢である、と仰っているわけだし。
あるいは少し前のシリア内戦の惨劇を思い返してみれば、本邦にも「そもそもアサドに挑んだのが悪い」という冷笑的ポジションの人たちは結構居たわけだし。少なくともあれだけの惨禍となった結果論として見れば、悲しいかなその意見には一定の説得力があるとすら言えるでしょう。



でも、あくまでジーン・シャープ先生のその論理とは「既存の支配者に対する抵抗運動」としての非暴力であって、であればこそ世界中の民主化運動の模範的解答の一つとして讃えられてきたわけで。
それを侵略戦争に対抗する手段としてのそれを援用するのであれば、つまり身も蓋もなく「まず最初にロシア降伏せよ」という意味でもある。


まずは(おおよそ無傷で)ロシアによってウクライナを支配されてから、独裁者プーチンに対する非暴力抵抗運動をしよう、なんて。
……でもそれってまわりくどくない?
はじめからロシア国民がプーチンに非暴力抵抗運動をすればいいのに。
つまり、ここで非常に面白いパラドックスというかジレンマなのは、侵略者であるプーチンのお膝元であるロシア国民がそれをやって成功しているのであれば、そもそもこの戦争は起きなかったはずなんですよ。
ロシアで消える反戦の声、沈黙の陰で広がる恐怖心 - WSJ
ロシア街角にリボン出現...規制下の反戦デモ、創意で当局かわす|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
反戦派のロシア人、自宅に脅迫相次ぐ ウクライナ侵攻 - BBCニュース
そして、現状のロシア社会の「非暴力的な」「反戦運動」を見る限り、それがどれだけ成果を挙げているのかと言えば……。
逆説的に、そうした非暴力なデモやサボタージュといった手法が概ね通用すると言っていいのがアメリカやヨーロッパといった欧米諸国でもあるわけで。まぁ日本もそっちに入れていいんじゃないかな。
もし侵略者がアメリカやヨーロッパ諸国であれば、確かにそうすればそうすればいいんですよ。
でもプーチンのロシアは絶対にそれと同列にはできないでしょう。
もしくはロシア国民はプーチン独裁と侵略戦争に賛成しているので、そもそも抵抗していないのだというポジションなのかな?
まぁそれだったら賛成はしないけれども理解はできます。ロシア国民は邪悪であるという過激なネトウヨの主張みたいですけど。


こうしたロシアからのニュースを見ているのにも関わらず『国を挙げての組織的な非暴力抵抗』もう一度やれというのはちょっと残酷すぎるよね。
何より以前は同じソ連という共同体に属していたウクライナの彼ら彼女らが、その支配されることで変わるだろう政治社会という選択肢を選ばなかったというのは、まぁこれ以上ないほど示唆的であります
結局、今回の「ウクライナ危機」を前提とした非暴力平和論で一番致命的なのは、ジーン・シャープ先生の言うような『独裁者に抵抗する手段としての非暴力抵抗』を言うべきなのはまずロシアの方であって、それを先にウクライナに提案してしまってはそもそも主客転倒しているんですよ。
身も蓋もなく言えば、現状のウクライナ危機とは「既に(ここ重要)」ロシアの非暴力抵抗の民主化運動が失敗した帰結である。
一度既に失敗している戦略をもう一度やれというのは、当事者がその微かな希望に縋ってやるならともかく、某極東の島国に住んでいるような元府知事なんかのようにまったくの第三者がそれを主張するのはこれ以上ないほど残酷だよね。
偽善どころか露悪的ですらあります。



おそらく日本の平和論としても、我々が侵略される際も国内的な非暴力抵抗運動が失敗したどこかの国によって侵略されるんじゃないかな。
そして、おそらくそこでも今回のロシアの構図と同じように、非暴力は暴力によって弾圧されてしまうんじゃないかな。


ということでジーン・シャープ先生の主張はあくまで『国内的な民主化運動』として素晴らしいのであって、独裁国家による侵略戦争の抵抗手段として持ち出すのはあまり効果的ではないかと個人的には愚行致しますけども、
みなさんはいかがお考えでしょうか?