何がルールを決めるのか

下書きのまま放置してたので微妙に古い日記。


ネトゲ研究日誌:人が世界を作る - livedoor Blog(ブログ)
何故同じゲームなのに、サーバーによって独占が起きたり起きなかったするのか?

祝サーバーと呪サーバー
[hankyoreh]

すべてのユーザーがすべて等しく恩恵を受ければ祝サーバーで,一部権力者が独り占めすれば呪サーバーだ

MMORPGのシステムには一部のユーザーで特定の資産を独占する事が出来るものがある。

だが、これも必ず独占になるものからユーザーによっては分配できるものもある。

良いアイテムが出る狩り場の特定ギルドで囲み、入って来ることができないようにする

これが呪サーバーであり、特定ギルドの仲間でない限り、彼らのいない時間を狙うか、諦めてランク下の装備で我慢するかの選択になる。

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何故祝サーバーと呪サーバーが生まれるのか?


こうした例に限らず、あのサーバーはヘタレしか居ないとか、このサーバーは厨が集まってるとか、対人戦好きばっか集まるとか、
まぁネトゲでは良くある話ではある。(実際どうであるかはさて置き印象論あるいはレッテル貼りとしても)
同じゲームであるはずの、サーバー毎の傾向を一体何が作るのか?
その中の一例としての「このサーバーは独占厨ばっかなのは何故?」という話。



各サーバーにおける傾向を作るのは一体誰なのか、という事を考えた場合、
その答えとしてまた、ネットゲーム上の特定の種族・国家の傾向を誰が作るのか?という疑問への回答も近い物があるように思う。


どうでもいい大多数とどうでもよくない少数

現実社会の多くがそうであるように、大多数のプレイヤーは「どちらになろうとどうでもいい」と思っている。
例えば二大政党における自民党だろうが民主党だろうがどちらでもいい、あるいはどちらも一緒だと考えているように。
この大多数のフォロワー達に影響を与えるのは誰か。


実際の所、独占厨しか居ないだとか、mob狩りより対人戦好きが多いとか、そうした結果論でレッテルを貼るのは楽ではある。
しかし上記のように大多数にとってはどうでもいいわけで。
その大多数以外の両極に位置する、どちらかでありたい少数派がその傾向を決めるのだと思う。


ネトゲにおいては、現実社会の多くの例のように影響力行使に必要な多数派工作が必要とはならない。
では、どうやってその影響力を行使するのか。
結局の所、それは「誰が最初にルールを作るか」という点に行き着くと思う。


ボス狩りの際のルールや、対人戦の傾向などはこうした要素が非常に大きい。
最初にその場所に到達し、ルール・傾向を決める。
ネトゲにおいてはほぼこれが全てだと言える。そこに実際の人口比はほぼ関係無い。
誰が一番先行してその場のルールを作るか。


勿論、上記引用例で言えば、少数派を形成する祝サーバーを望むリーダー人口と呪サーバーを望むリーダー人口比は競争において全くの無関係であるとは言えない。競争者が多いほうが当然勝つ確率は高い。
しかしながら結局、どんなに人口比が偏っていようと一番最初に先行できた人がルールを作る。
こうして競争に敗れたリーダー層は往々にしてそのゲームを去る。
「独占厨ばっかでやる気無くした」とか「馴れ合いばっかで萎えた」とか言いながら。


そして大多数のフォロワーは積極的に、あるいは消極的にその先行者のリーダーが作ったルールに従って全体の流れができる。
彼らは別にどちらが勝っても積極的・消極的にという差はあれども、同じようにゲームを続けるのだ。
こうしてネトゲにおける、「祝サーバー呪サーバー」「ルール」「傾向」という社会が各サーバー各陣営各種族各国家に形成される。

大多数を占める「いい人」も「わるい人」も存在しない

よく2ch掲示板で語られる「うちは頑張ってるが、向こうはダメだ」とか「独占厨多すぎ」とか「ゆとり多すぎ」とか、
まぁルサンチマンに溢れた印象論やレッテル貼りが語られる。
こうした事から読み取るべきなのは、そうした人が多い・多数派なのだ、という事ではなくて、
そのサーバー・陣営においてそうしたリーダーが最初に影響力を持った、という点にある。


○○が多いとか少ないとか、実際の所それはどちらでもいい大多数のフォロワーによって形成されている。
真にそうした傾向を持つ人は極少数しか居ない。
そして何がそのサーバーの傾向を決めるかは、人数の多い少ないではなく、
「誰が最初にルールを作ったか」という事で決まる。


ネトゲにおけるサイレントマジョリティーは、
(ゲームを続けるか、辞めるかという点においては)どうでもいいから黙っている。
そしてそれ以外のどうでもよくない少数のリーダー達による競争こそがルールを決めるのだ。