ベトナム戦争って無意味だった

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091203/211135/


この前発表されたオバマ大統領のアフガニスタン戦争の新戦略についてのコラム。


オバマ大統領曰く、「第二のベトナムにはしない」らしい。
しかし、今のアフガニスタンベトナム戦争は似てるよね、と引用先で言われてる。

 戦略的な状況を見ると、やはりベトナム戦争時に酷似していると認めざるを得ないだろう。

 例えばベトナム戦争ジョン・F・ケネディが大統領の時に始めたものだ。ところがケネディは任期半ばで暗殺されてしまい副大統領だったリンドン・ジョンソンが大統領に昇格したのは周知の事実だ。

 ジョンソンは自分が始めた戦争でなかったから事情がよく飲み込めていなかった。そこでケネディ政権時の国防長官ロバート・マクナマラを留任させたのだ。だがそのマクナマラケネディが何故軍事介入を命じたのか、どの程度で切り上げようと思っていたのかなどの真意は知らされていなかった。

 南ベトナム共産主義から守るというだけで、当初から作戦目的は曖昧であったのだ。結局、作戦目的が不明なままずるずると駐留を続け被害を拡大させてしまったのがベトナム戦争だった。

 作戦目的を理解していない点ではオバマ政権も同様で、前政権の国防長官ロバート・ゲーツが留任している点もベトナム戦争時にそっくりだ。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091203/211135/

まぁ言ってることは解る。ベトナムアフガニスタンの酷似性。


んじゃそもそも「ベトナム戦争の最大の失敗」って何? って言われると、軍事力投入の失敗とか、世論形成の失敗とか、外交政策の失敗とか、色々言われているけども、
実際の所「そもそも戦争する必要が無かった」という事だと思うんですよね。


共産主義陣営によるドミノ理論を信じたばっかりに、あんな無意味な、戦争をしてしまった。
戦争をやってもやらなくても、アメリカにとって結果は何も変わらなかった、という悲劇。
ベトナムで負けた事よりも、戦争してしまった事自体が間違っていた、と。そりゃ凹む話です。
何万というアメリカ兵の命とベトナムの二百万とも言われる命は、意味も無く消費された。


で、話は戻って、「第二のベトナムにはしない」という宣言。
うん、まさにその通りです。何が一番の悲劇のシナリオかって、アフガニスタンで失敗するよりも何よりも、
アフガニスタンで戦争した意味が無かった」と証明される事だと思うんですよね。
戦争してもしなくてもテロ組織は元気にやっている。戦争しても何も変わらなかった。それこそが一番の恐怖。
戦争した意味が無かったと証明されてしまう事こそが。



その意味で、「アフガン放棄の戦略だ」と引用先では得意げに言っていても、
まぁそりゃそうだろうね別にアフガニスタンを安定させることが目的じゃないから、という感じになる。

 米大統領は米軍の最高指揮官である。どこの国の最高指揮官だろうと自国の軍隊の勝利を願わないはずはない。その意味では戦略はすべて勝利のための戦略であり、軍隊の帰還は敗退ではなく凱旋でなくてはならない。当然、米国民もこの新戦略でそれが示されるものと期待した。だが、演説の中にそれはなかった。勝利という言葉さえなかったのだ。

 新戦略の骨子はアフガニスタンに3万人を追加派兵し、2011年7月には米軍の撤収を開始するというものだ。しかしそこには明確な目標が示されていない。アルカイダを追い込みタリバンの勢いを削ぐというだけで、ウサマ・ビン・ラーディンを逮捕すれば任務が終了なのか、タリバンを全滅させなければ任務が完結しないというのかが明確でない。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091203/211135/


結局の所アメリカが一番恐れているのは、
ベトナム戦争のように負ける」ことじゃなくて、
ベトナム戦争のように意味が無かったと言われる」ことじゃないのかと思うんです。


無意味な戦争で、無意味に人が死んでいったなんて、それはもう恐ろしい話です。
「第二のベトナムにはしない」そう言いたくなる気持ちも解ります。