古くはROやリネージュから、弓職のプラス方向にもマイナス方向にもバランス崩壊した例は枚挙に暇がない。
その度に「朝鮮人は弓が好きだから」とかなんかそれっぽい事が言われてきた。
実際の所、MMORPGにおいてしばしば弓職のバランス調整に失敗するのは何故か?
歴史だって弓ゲーだった
東西問わず、基本的に歴史は(実用的な銃の登場まで)弓の優位性を証明している。相手に対してアウトレンジできればそりゃ強いよね、という話で。だから常に歴史は弓ゲーだった。こうした射程距離争いは結局、ICBM等による射程数千キロに至るまで終わる事はなかった。
結局歴史が教えるのは、弓に限らず何時だって遠距離ゲー。
相手より遠い所から殴った方が勝つ。基本的には。
そういう訳で、ゲームでもまぁ普通にやったら遠距離職が勝つのは当たり前な話で。この初めから傾いているバランスをどう調整するかが、ゲームバランスの根本となる。特に対人戦ではより正確に求められる。皆必死ですから。
遠距離職と近接職のバランスの根本にはこの射程距離の問題が存在している。
如何にして距離を詰められるか。距離を詰める際のデメリットと、詰めた時のメリットをどう設定するか。
で、よく失敗して弓ゲーとか言われちゃう。
魔法が「比較的」失敗しない理由
さて置き、ゲームにおいて遠距離職と呼ばれるのは、多くの場合弓職と双璧を成す魔法職(魔術なり術なり呼び方は何でもいいけど、ここではとりあえず魔法で)がある。しかしこちらは比較的失敗しにくい。
なぜなら「魔法防御」という要素があるから。
多くのゲームがそうであるように、またパラメータの多様化という要請もあって、魔法攻撃に対しては「魔法防御」という独立したダメージ軽減要素が与えられる。
これは遠距離ゲーに成りがちなMMORPG、特に対人戦において、かなり容易にバランス調整が行える事を意味する。実際に戦ってみて、単純に火力が強すぎたらトレードされるダメージを弱めればいいし、逆に弱すぎたら魔法防御を上げてダメージを減らせばいい。魔法の威力は独立してその中だけで完結する。
しかし弓はそうはいかない。
ほとんど全ての例において、多くの近接攻撃職と同じ「物理防御」で括られてしまうが故にその強弱のバランスはより複雑となる。弓だけの威力を見てそのトレードされるダメージを増減するわけにはいかないから。弓の威力を増減することは、必然的に近接職の威力にも影響する。同じ遠距離でも魔法とは致命的に違ってしまう。
遠距離攻撃という特性に加えて、近接職の威力との兼ね合い、同じ遠距離攻撃である魔法職とのバランス、こうして弓職が抱える問題は膨らんでいく。そしてバランス調整の失敗へと至ると。
「弓防御」って要素があれば良かったのに。