時代が俺たちに追いついてきた

http://japan.internet.com/busnews/20100113/2.html
韓国最高裁、「『リネージュ』の RMT は合法」と判断 | スラド


ネトゲはじまったな、という感じ。

この裁判の被告は MMORPG リネージュ内の通貨「アデナ」を 2.34億 ウオン相当分購入し、転売によって約 2000 万ウオンの利益を上げたという男性 2 人。韓国にはゲーム振興法というゲーム産業の成長を目的とした法律があるそうで、この件はゲーム内通貨売買に関するこの法律の解釈が注目されていたという。

最高裁は判決で「アデナ」は運や偶然によって獲得するものではなく、時間や労力を掛けた継続的な「労働の対価」として得られるものであると判断、ゲーム内通貨の売買は外貨取引と同じく合法であるとし、2 人の被告を無罪としたとのこと。ただし、ポーカーや花札のように偶然や運が絡むゲームにおける仮想通貨売買は違法であると解釈されるそうだ。

韓国最高裁、「『リネージュ』の RMT は合法」と判断 | スラド

この話で面白いのは、「「アデナ」は運や偶然によって獲得するものではなく、時間や労力を掛けた継続的な「労働の対価」として得られるものであると判断」って所だと思う。仕事かよ!
昔からMMORPGのレベル上げや金策は、ゲームじゃない別の「作業」だとか「仕事」だとか卑下されてきた。しかもプレイヤー達自身によって。それを知ってか知らずか韓国最高裁で本当にお墨付きを得てしまったという、何とも皮肉な話。
まぁあくまでもギャンブルの仮想通貨と比較して、っていう話ではあるんだろうけど。



しかし以前も書いたけど、プレイヤーたちが求めるゲームとしての面白さが、究極的に先鋭化した先はこうした「時間や労力をかけた対価」というある種の理想社会なのは笑えるんだか。努力しただけ強くなるという努力至上主義。
完全な「運」勝負でゲームをやって楽しいかと言われれば、否であると言える。では逆に完全に「努力」勝負なゲームが楽しいかと言われれば、同じように否と答えるしかない。しかし後者はそこに辿り着くまでの過程が膨大過ぎて気付き難い。だからこそ今のMMORPGは歪んだ状況になっているんだろうと。
そう考えると、まぁ人の思いつく「理想社会」なんて物は大抵ロクでもないものだというよくある話。


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