オバマさんちの家庭の事情

去年を振り返ってオバマ政権って結局どうなのよ、というコラム。
http://www.toyokeizai.net/business/international/detail/AC/902d6822e9b6ea5fe669b579e791313b/
中身は結構ポジショントーク風味。

 評論家は、オバマ大統領は口先ばかりで、行動が伴わないと批判する。
 彼らは、オバマ大統領を実績ではなく、約束によってノーベル平和賞を受賞したロックスターであると見ている。また大統領の人気を冷笑し、中東問題は解決困難なままであり、北朝鮮の核問題やイラク・アフガン戦争は解決しておらず、イラン問題の解決も困難な状況にあると指摘している。
 しかし、まじめな人なら誰も、大統領が短期間にすべてを実現できるなどとは期待しないだろう。ブッシュ政権のハードパワーを使った外交政策でも、問題を解決することはできなかった。

○将来の評価を決めるアフガニスタンの行方
 オバマ政権は発足後1年の間に重要な実績を挙げた。
 第一に経済危機を乗り切った。経済顧問たちはオバマ大統領に、1930年型の大恐慌が起こる可能性は30%以上あると説明していた。恐慌を阻止できなかったら、他の事柄もさらに悪化していただろう。恐慌を回避するためには国内での景気刺激だけでなく、国際的な協調も必要だった。アメリカの保護主義は予想に反して30年代よりもはるかに抑制されている。

http://www.toyokeizai.net/business/international/detail/AC/902d6822e9b6ea5fe669b579e791313b/page/2/

まぁ言ってる事はわからなくはない。けどぶっちゃけそんな事は大統領選の時から言われてましたよね。
オバマになろうがマケインになろうが、どっちみち当分は経済危機対策するしか道は無いと。んで実際はどうかというと、そんな予想通りになってる。
それをやるしか選択肢は無かったとは言え、少なくとも内政問題においては、もうオバマ神通力(そして文字通りのハネムーン期間)は消えてしまった。もう医療改革法案やキャップアンドトレード法案は見通しはかなり厳しい。神通力が効いてるうちにできれば良かったんだけど、結局、間に合わなかった。



その意味でこの前の日記で引用した先で言っていた、

 コロラド州出身の前下院議員で大統領候補だったトム・タンクレド氏はその場の雰囲気を捉えて、2008年にオバマ氏がジョン・マケイン氏を破ったことを神に感謝すると述べ、拍手喝采を浴びた。曰く、マケイン氏が勝っていれば、米国はフランクリン・ルーズベルトとともに始まった左傾化への長期漂流を続けていただろう。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2799?page=2

という話は二重の意味で正しい。どうせ、マケインが勝っていても今と同じような状況に陥ったのは目に見えている。


そこで出てくるのが最後の頼みの綱といわんばかりの外交なわけで。多分これも同じになったんだろうなぁ。

就任2年目を迎えるに当たり、大統領はアフガニスタン問題こそがオバマ外交の歴史的な評価を決める試金石となることを認識しなければならない。

http://www.toyokeizai.net/business/international/detail/AC/902d6822e9b6ea5fe669b579e791313b/page/3/

ということでこういう結論に落ち着くのは解る。
目玉の政策の一つだった医療改革法案は、反民主党どころか反社会主義的なティパーティー運動なんて始まっちゃうわ、それを受けて安定多数だった議会運営はどんどん困難になっていくわで大騒ぎ*1
もう一つの目玉である、前ブッシュ大統領からの反動からか地球温暖化問題押し捲りな態度のせいで、クライメート事件から始まるIPCCの不祥事の影響をモロに食らって大騒ぎ。実態はともかく、政治的正当性という意味において特に。で、案の定COP15も失敗した。



そんなこんなで外交がんばろうぜ!という話に至る。
たしかオバマ大統領に負けたマケインさんこそが「外交通」を押していた記憶があります。それが何でこんなことに。


しかもイランの核問題や、北朝鮮、そしてそれに伴う中国の問題もある。ナイ教授の言うとおり単なる「アフガニスタン問題」こそが外交の評価の試金石であるならまだマシかもしれない。もしそれらが爆発でもしたらアフガニスタン問題なんて更に吹っ飛びそうです。
がんばれオバマ大統領!

*1:この辺は正しい民主主義の動きで羨ましいなぁとも思います。失敗したら当然下がると。日本なんて以下略