「帝国はそれが獲得された方法、権力・用心・勉励によってのみ保持される」

北朝鮮後継レース、「長男」正男氏の脱落の背景 総書記の誕生日にも、確定情報無し(1/3) | JBpress(日本ビジネスプレス)
もはや誰も突っ込んでくれない、朝鮮「民主主義」人民「共和」国のお話。
なんか僕たちも後継者レースとか、ナチュラルに世襲前提で話してますけど、いい加減誰かもう「それ君主制だろ」って正直に言ってやるのも優しさだと思うんですが皆様いかがお過ごしでしょうか。


「帝国はそれが獲得された方法、権力・用心・勉励によってのみ保持される」
タイトルにもありますが、ルイ14世がこんな事言ってたそうです*1。本場フランスの絶対君主は言う事が違います。さすが強力な中央集権を作った太陽王です。
さて置きこの格言の意味の一つは、よく言われる君主制の致命的な欠陥を表してます。
確かに才能のある絶対君主は、かなりの利点があると言うことはできる。国家の興隆と言う点においては、ある意味、民主主義や共和制よりも場合によっては有効に働く事もある。それでも、人類は君主制の限界に気付いてしまった。
何故って「無能」な君主が現れることが不可避だと気付いたから。いつも有能な君主が現れるわけがないと。そして大抵の場合、殆どが無能であると。


そしてこの言葉の意味する所は、後継者たちもそんな「有能な」君主と同じ程度に有能でなければ現状維持さえできないよ、と彼は言っている。
国を興隆させる事も、現状維持も、求められる君主のレベルには大差がないと。確かにそういうものかもしれない。前提とする有能な君主がそこまで国を強くしたんだから、そっから後を継いでスタートする人もそれ位はもってないと現状維持もできませんよね。



以下本題。
まぁ確かに北朝鮮という国を創った金日成はある意味では有能だったのかもしれない。独裁体制を確立させ、少なくとも軍事力において当時は韓国と同等かそれ以上の物を持っていた。そっからだだ下がりですけど。
だから彼の後継者達は、彼と同じ程度には有能でないと、当時の現状維持さえできない。そして、明らかにその後継者である金なんとかって人は現状維持にさえ失敗しているわけで。しかも核兵器を使ってさえ。なんて悲しい話。


その意味で、先祖を崇拝・絶対視してたらそりゃ現状維持さえできないよなぁ、と思うわけです。そんな事してる時点で、もう後継された時の現状維持さえできない。だってそんな父親と同じレベルでやっと現状維持程度、それよりも発展させるなら越えなくてはいけないんだから。
つまり、次の三代目となる後継者の中の人には、父親達を越えるつもりでやってもらわないと今より更に失敗国家となると。しかし今更そんな権威の否定をすると国が崩壊するというジレンマ。
もう君主制とかやめたらいいのに。あ、これも国が崩壊するか。けど実際、実は皆やめたいと思ってそうですよね、本人以外。

*1:彼の孫のスペイン王フェリペ五世への覚書から。だからお前もがんばれよ的な話