「イスラエルは出て行け」で話題なあの人のお話。
http://www.cnn.co.jp/usa/AIC201006070011.html
ホワイトハウスの名物長老記者、イスラエル批判発言で引退 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
【6月8日 AFP】ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)大統領からバラク・オバマ(Barack Obama)大統領まで歴代の米大統領を取材してきた、ホワイトハウス(White House)担当のベテラン記者、ヘレン・トーマス(Helen Thomas)氏(89)が7日、イスラエルを批判する発言に対する非難の高まりを受け、引退した。
ホワイトハウスの名物長老記者、イスラエル批判発言で引退 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
トーマス氏は前月27日、ホワイトハウスで開催されたユダヤ文化関連イベントの際、ラビライブ・ドット・コム(RabbiLive.com)とのインタビューで、イスラエルに関するコメントを求められ、「(イスラエルは)パレスチナから出ていけ」と発言した。
へーという感じです。まぁ一部の人々が同意するように確かに正論なのかもしれない。だけど正論である以上に、極論なんですよね。
正論を言うことと、極論を言うことは似ているようで違う。そんな事はまぁ普通の人なら誰だって解ってるはずなのに、こうした人々の正義感に訴えるような問題では特に、しばしばそれを忘れてしまう。
以下、何マジレスしちゃってんの分が多分に含まれています
- 彼女はイスラエルの暴力的な政策の数々を批判している。それは理解できるし、正当な批判ではある。
- イスラエル人たちには極端な解決方法として「ポーランドでもドイツでもアメリカでも、どこへでも帰ればいい」という選択肢があるはずだと彼女は言っている。本気なやる気さえあれば、イスラエルの人々は究極的にはどこにでも移住できるのだと。確かにその通りではある。
- しかしそうした極論は同時に、私たち自身にとっても「本気でやる気さえあれば」全財産投げ打ってでも中東和平に寄与する選択肢だってあるはず、という事実をも示している。モニター越しに「うわーイスラエルオメガ馬鹿」とか言ったり、何故かアメリカでイスラエル批判をした後すぐ謝罪したり、あるいは何の関心も無く生きていくよりも、0.000000001%でも中東和平に寄与できるのならそちらを選ぶ選択肢だってあったはずなのだ。
- だけどそんな、全財産や残りの人生全てを掛けてまで、中東和平に関与しようとは、私たちの殆どは全く思わない。
- そんな私たちが、イスラエルの人々に向かって、簡単に全てを捨てて「本気でやる気さえあればできるだろ」なんて事は絶対に言えない。自分さえやろうともしない事を何故他人に気軽に強要できるのだろうか?
つまり極論なんて語っても普通ロクな事にならないし、問題の解決に何の役にも立たない。例えそれが正論であっても。
それなら現実的に「アメリカは中東和平にもっと関与すべきです」辺りな平凡で、そして生産的でもない、当たり障りの無いコメントでもしておけば良かったのだ。しかし彼女はそうしなかった。今回のことは彼女自身の選択であり結果である。
まぁそうした「平凡な正論」なんて言っても誰も耳を傾けてくれないからこそ、そんな「極端な正論」に走ってしまった現在の報道システムの悲劇、という見方はできるかもしれない。確かにそんな極当たり前のコメントを言っていたら恐らくこんなにメディアに取り上げられる事はなかったのだろうし。より過激なことを言った方がウケる、というのは確かにメディアの本質ではある。
とここまで書いて思ったけど、もしかしたら彼女はそんな残りの人生(職)を全て投げ打って、上記のような極論を実践しようとしたのかもしれない。もしそうならば彼女にはそんな極論を言う資格は確かにある。・・・・・・謝罪してる時点で駄目か。