チャーチルかっこいい

少し前から地政学を英国で学ぶさんで掲載されている、「戦略についてのある論文」シリーズからのお話。


戦略についてのある論文:その16 : 地政学を英国で学んだ
戦略についてのある論文:その17 : 地政学を英国で学んだ
戦略についてのある論文:その18 : 地政学を英国で学んだ
で、「その16」あたりから第二次大戦期のイギリスの戦略について書かれていて、

ヒトラーの決断の論理的根拠がチャーチルのそれよりも無謀に見えるのは、歴史を後から振り返った場合だけなのだ。

戦略についてのある論文:その17 : 地政学を英国で学んだ

まぁ確かにそういうものなんでしょう。後知恵でならそりゃなんとでも言えますよね。それでも私たちはいつだって後知恵で偉そうな事を言ってしまうわけですけど。


これと近い例でいえば、彼のことを「帝国主義者」だとか言うことも同じなのかな、と思います。
結局、彼の「無謀とも言える賭け」の結果が、彼の守ろうとした大英帝国の解体に繋がったというのは皮肉な話ではありますよね。戦後すぐに植民地支配の終焉を指摘されて、憤慨してしまう程度には彼でさえも同様に見誤っていたと。しかしまぁそれだって私たちが根拠にしているのは後知恵でしかないわけで。当時誰が第二次世界大戦の結果がもたらすものは「帝国主義時代の終焉」であると気付いていただろうか?


引用先にもあるような、すごい熱い(むしろ今見ると行き過ぎてて怖い*1)演説をするチャーチルさんもそれはそれで面白いと思うんですけど、個人的には彼が上記の見誤ってしまった時の、
「私は大英帝国の解体を指揮するために国王陛下の宰相となったわけではない」
そんながっかりなチャーチルもかっこいいですよね、という趣味丸出しなお話でした。

*1:引用先の言葉を借りれば「不気味で絶対的な、民族主義的な理想主義」