「世界を変える」と公約してはいけない

「いいからマルクスの警句でも読むんだ。そして軽率な約束はやめるべきだ。どうせ無理なんだし」って少し前の読売新聞でポール・ケネディさんも言ってましたよね。ということで結局解散総選挙に至ったオーストラリアのお話。


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 オーストラリアのギラード首相は17日、下院を解散し8月21日に総選挙を行うと発表し、選挙戦をスタートさせた。世論調査では、与党労働党と野党保守連合自由党・国民党)は接戦となっており、資源税導入などで政治的な失点を喫した労働党政権にとっては厳しい戦いとなりそうだ。

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結局この前の日記でも書いたように、前首相だったラッドさんはまさにタイトルのように「世界を変えよう」と目玉政策を打ち出し、それによって退陣に追い込まれた。まぁそのポール・ケネディさんの警句もまさにこの失敗を踏まえた上での発言でもあるんでしょうけど。
まぁそういうわけで、オーストラリア初の女性首相でもある新しいギラード首相は、交代劇によって支持率を回復したのを見て解散総選挙に打って出たと。うわぁ何から何までどっかで見た構図です。負けフラグとか禁句です。


ともあれ、今回は(どっかで見た国と違って)彼らはラッドさんの失敗を踏まえているように見えなくはないですよね。

  • 労働党ギラード首相側の主張は
    • 「ラッドさんは言い過ぎてました。やっぱり世界を変えるのはちょっとだけにします」
    • つまり「ちょっとだけ世界を変える」
  • 対立する自由党党首のアボットさんは
    • 「ラッドさんの世界を変える宣言はクソです。世界を変えるのを変えて無かったことにします」
    • つまり「世界を変えるというのを変える」

すごい両方とも華麗に「世界を変える」宣言を回避していますよね。華麗すぎます。これこそが有能な(つまりロクでもない)政治家の発言という物ですよね。どうせ世界を変えるなどと大きな事を言っても実現できないのならば、少なくとも真摯に、それっぽい事を言っておこうと。


まぁオーストラリアの状況は色々参考になるのでうちの国も人たちも参考にすると良いかもしれない。あ、ごめんなさい、もしこれでギラード首相が勝って「よしうちも初の女性首相候補だ!」とか一緒なことやられてもすごい恥ずかしいのでやっぱり参考にしないでください。
なんか藤崎詩織っぽい。