次のノーベル平和賞はキミだ!

ということで普天間基地撤去を求める高校生の会ツイート (@hutenma1) | Twitterを見ていて思った、次の軍縮へのステップのお話。


戦略兵器の軍縮で行われたかつて「海軍休日」と呼ばれたワシントン・ロンドン条約下や、第一次戦略兵器削減条約(STARTⅠ)から始まる核兵器削減とか、あるいは通常兵器削減を目的としたヨーロッパ通常戦力条約(CFE条約)*1の例のように、実際の所、基地や包括的な地域の軍事力削減の為に必要なのは「お互いに合意した条約の下になされる軍縮」こそが本道であるわけですよね。
古典的なバランスオブパワーの概念を持ち出すまでもなく、一方だけの軍縮だけでは当然それは失敗に終わるし、むしろそれどころかそんな自己欺瞞的な行為は結果的により悲劇的な結末を招くことさえある。
別に自分だけが損するのが・弱体化するのが嫌だとかそういうレベルの話ではなくて、より重要なのは、自分とそして相手が同意できない軍縮はやっても意味が無い。そして更に重要なのは両者が共に「本心から」*2やるのでなければ、条約制限外での抜け道やもっと単純に(アメリカだってロシアだって日本だってドイツだってやったように)一方的に条約の履行停止を宣言されるように、同様に意味がないということである。


その上で、極東アジア地域における例えば普天間基地を無くそうとする際に必要なのは何だろうか。少なくとも日本自身は確かに軍縮という方向性にポジティブに考えているし、それはアメリカでさえそうした効率化という目的による海外戦力の縮小・効率化を完全に否定しているわけではない。
つまり例え小さな一歩でもここから前進するのにあと必要なのは「相手」の同意だけである。
かつての冷戦末期や冷戦後にアメリカとロシアがそうやってお互いに同意した上で核戦力の削減を実現させたように、今回も相手にコミットするように説得することこそが、東アジア地域の・日本の・ひいては沖縄の、軍事力削減に繋がるもっとも近道で単純な、たった一つの冴えたやり方である。


ということでそうした相手を、ぶっちゃけてしまえば中華人民共和国を、軍縮交渉に着くように説得することさえできれば次世代のノーベル平和賞はほぼ間違いないです。少なくとも日本や、ある程度までならアメリカでさえも、そうした交渉をすることに同意するだろうから。
別によくある当てつけや煽りとか皮肉的な意味でなく、本当に、相手さえ説得できればできるんです。なので平和主義的な運動をする人びとには是非がんばってもらいたいです。きっとノーベル平和賞貰える位には世界から称賛されることでしょう。


まぁ問題はどうやって相手を説得するかなんですけどね。私たちは彼らが軍拡しているせいだと言うし、しかし彼らは私たちの軍拡のせいだと言うでしょう。そのすれ違いはどうすれば解決できるか?
たったそれだけです。その論理さえなんとかなれば、大戦略とか防衛政策とか軍拡競争とかなにそれ、な感じです。がんばれ平和的なひと。

*1:NATOワルシャワ条約機構間での通常戦力削減の条約。だけどその履行は停止されている

*2:STARTⅠあるいは中距離核戦力全廃条約=INF条約が、ある程度まで成功したのは結局の所アメリカもソ連(ロシア)も、本当に本心から「最早そんな戦力は要らない」と理解したからなわけで。勿論それは経済上の理由やあるいはそうした兵器の陳腐化がそうさせたわけだけど。