戦争だ! ついに戦争が始まるのだ!

結局フランスさんもみんなと一緒で安心しました、なお話。


時事ドットコム:66%がリビア軍事介入支持=仏調査

 【パリ時事】仏調査会社IFOPが23日公表した最新の世論調査によると、米英仏主体の対リビア軍事介入を支持するとの回答が66%に上り、不支持の34%を大きく上回った。調査は21、22の両日、フランス人1000人を対象に行われた。
 IFOPが軍事介入前の3、4の両日実施した調査では支持36%に対し不支持63%。作戦開始を経て世論の賛否が逆転した形だ。
 フランスでは、最大野党の社会党を含め大半の政治勢力が軍事介入を支持している。

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011032301035

そういえば、もうそろそろ1914年の「100年の平和の後についに始まった戦争」から、もう一度100年なのを思い出しました。タイミングいいというかなんというか。ほら、皆大好きニーチェさんも最近の日本で流行らせようと書店の方々ががんばってるみたいだし。
まぁぶっちゃけてしまえば大抵のアメリカの場合でも似たような結果が出てたと思うので、結局の所、一般の人びとの意識なんてそんなもんなのかもしれませんよね。実際そんな1914年の時の彼らだって、そして日露戦争や太平洋戦争のときの私たちだって、「ついに戦争が始まるぞ!」と熱狂してしまったわけだから。ついでに言えば当のリビアだってそんな感じは多分にあるわけで。
アメリカやイギリスなどを率先して正義バカとか戦争バカとか言ってた人びとも、当事者となるとこうなってしまうという実に面白いお話ではあります。
といっても多分どうせ1ヶ月もすれば飽き飽きしてまた逆転するんでしょう。なのでそうした考察に意味がないと言えば確かにあまり意味もないんですけど。


さて置き、1914年当時戦争の始まりに熱狂するベルリン群集の描写の一つの例として、こういうものがあります。

「顔見知りの人間は誰も居なかった。それでも全員が一つの熱い感情をともにしていた。戦争だ、戦争だ、そして誰もが一つに結ばれたのだ。」*1

そうしたかつての時代と、「IFOPが軍事介入前の3、4の両日実施した調査では支持36%に対し不支持63%。作戦開始を経て世論の賛否が逆転した形だ」という現在。まぁ人間ってそんなものなのかなぁと達観しちゃいますよね。

*1:『歴史の終わり』(フランシス・フクヤマ著)より。原典は『Rites of Spring: The Great War and the Birth of the Modern Age』Modris Eksteins - Wikipedia