「共有地の悲劇」を避けることができるだろうか?

そろそろクソ暑くなって参りましたので。


でんき予報|東京電力パワーグリッド株式会社|東京電力ホールディングス株式会社
http://www.47news.jp/CN/201106/CN2011062201001022.html
ということで何か対策するのかなぁと思ってたら、何もしないまま夏本番に突入しそうです。まぁみんな精神論大好きなので仕方ないのかもしれません。がんばろう日本。
ともあれ、経済学的に見れば、基本的には規制が何もないそうした『共有地』はいつか破綻するのが常なわけであります。*1
ガレット・ハーディンさんがその論文で仰っていたように、本来的に個々の利益を追求する使用者たちには「過剰使用による破綻」を防ごうというの誘因が欠けているんです。しかし3.11直後の私たちは、その直近の震災という危機感によって、間接的にその誘因を獲得することができていたわけであります。まさに「非常事態である」という理由で。故に計画停電の時期も大過なく乗り切ることができた。


しかしやっぱりその非常時という意識は長く続くものでもない。それに自粛などデメリットだってある。ということである種「望んで」日常生活を私たちは取り戻した。しかしその日常性の復帰と共に、非常事態という意識も一緒に薄れてしまってもいるわけで。
じゃあ一体どうすればいいんでしょうね?
と言った所で、何らかの強制的な措置が取れるかというとそんなことは全くないですよね。震災当時のような広範なコンセンサスも、ついでに言えば、(この状況を招いた)原発を停止に賛成できない人だってそれなりに居るわけで。まぁ中には「原発は止めるべきだし、しかし節電もしない!」*2なんて御仁もいらっしゃいますけど、是非はともかくとして、ある意味で彼は率直ではあります。実際にそれは一部有権者の声を代弁しているんだから。


こうしてまた、いつかと同じ様に、再びこう唱えるわけであります。万事は尽くしたとして、運を天に任せて、そして精神論に期待して。
「足りぬ足りぬは工夫が足りぬ」と。

*1:コモンズの悲劇とは、多数者が利用できる共有資源が乱獲されることによって資源の枯渇を招いてしまうという経済学における法則。共有地の悲劇ともいう。コモンズの悲劇 - Wikipedia

*2:橋下知事:関電の15%節電要請を改めて拒否 − 毎日jp(毎日新聞)