ならば産業革命以前に戻るしかない

構図としては、喫煙家なのに健康をすごい気にしている人、を見ている感じに近い。


宇宙人は「環境保護」のため人類を襲う | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
ちょっと何を言ってるのかわからないです。

 その時、青き地球には映画スターウォーズのような宇宙船とレーザー銃を持ったエイリアンが押し寄せるのだろう。エイリアンたちは「銀河系を人類から守るという利他的な目的のために」われわれを攻撃するかもしれないと報告書は警告する。「われわれは自分の惑星の脅威であるのと同じように、銀河系の脅威にもなり得る」
 文明は拡張するほど破壊が難しくなるため、先制攻撃は拡張が初期の段階にあるときに仕掛けられる可能性が高い。人類は今まさに急速な文明拡張の時代に突入したばかり。その拡張は温室効果ガスの排出によって地球環境に変化をもたらしているため、エイリアンに見つかりやすい状況にある。
 報告書はさらに、こうしたシナリオは「われわれの成長、さらには地球の生態系への悪影響を抑制する動機となる」と続く。「大気の状態は地球外からでも観測可能なため、温室効果ガスの排出抑制は特に重要だ」

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大気状態の悪化が人類の手に負えなくなって、宇宙人襲来て。それどこの『幼年期の終わり』ですかと。いやまぁ僕もクラーク先生大好きですけど。


とはいえ、「大気の状態」はかなりの部分までギャグとして笑い飛ばせるんですけども、実際そんな人間の活動によって宇宙人が地球の存在に気付くに違いないというのはSFの世界でも、そして現実でも昔からよく語られてるお話ではあるんですよね。つまり私たちが日常的に使っているいわゆる『電波』はそれはもう宇宙の果てまで飛んでいっている訳で。それを見る人が見れば一発で知的生命の痕跡があることがバレてしまうわけです。例えばそれは有名な『アレシボ・メッセージ*1』であり、むしろそんな風に敢えて意図せずとも確実にそうした電波は常に発信を続けている。
他にも物理的な『ボイジャーのゴールデンレコード*2』や『パイオニア探査機の金属板*3』などもあったりした。


しかしまぁ特にSFでは結構使い古されたネタではあるんですよね*4。電波を辿って宇宙人が攻めてきた、とか。悪い宇宙人に見つからないように電波を使わない程度に文明の利器を制限しよう、とか。
で、そんなSETI真っ盛りの時代にも当然「そんなことやって悪い宇宙人が攻めてきたらどうすんだよ!?」とお怒りになる人びともそれなりに居たりしたんです。確かにもしかしたら敵を誘致していると言えなくもない。「カール・セーガンは地球に対する外患誘致罪で死刑だ!」なんて言う人も居るかもしれない。
まぁそれの新しいバージョンではあるんでしょう。「地球温暖化に協力しないやつは宇宙人をおびき寄せている!」とか。子供のしつけじゃあるまいし、ちょっとそれは……、という感じですけど。


ということで大気汚染(笑)なんて心配する位ならこう問うべきなんです、
「電波、届いた?」

*1:1974年にアレシボ電波望遠鏡の改装記念式典において宇宙に送信された電波によるメッセージアレシボ・メッセージ - Wikipedia

*2:1977年に打ち上げられた2機のボイジャー探査機に搭載されたレコードボイジャーのゴールデンレコード - Wikipedia

*3:[972年と1973年に打ち上げられた宇宙探査機パイオニア10号・11号に取り付けられた銘板パイオニア探査機の金属板 - Wikipedia

*4:すぐ思い出せる最近読んだ本だと『老人と宇宙』とか『オペレーション・アーク』とかまんまのネタでした。