「ここで殺っちまった方が後腐れないだろ」

どっかの映画で悪役の下っ端などが言いそうなセリフ上位に入りそうなお言葉。ついでに死亡フラグでもありますよね。大抵これを言うと失敗した挙句に本人が死ぬ。オバマファミリーの掟。


CNN.co.jp:チェイニー前米副大統領「大統領は過去の批判を撤回すべき」
わぁなんていう悪役(幹部)顔でしょう。さすが一部どころではない人びとに蛇蝎のごとく嫌われるチェイニーさんです。けどまぁ今回に限っては彼の言ってることは概ね否定できない。

ワシントン(CNN) 米国のチェイニー前副大統領は2日、CNNのインタビュー番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン」に出演し、米軍がイエメン系米国人のイスラム指導者アンワル・アウラキ師無人機攻撃で殺害したとされる作戦を評価する一方、オバマ大統領はブッシュ前大統領に対する過去の批判を撤回すべきだと主張した。

作戦ではアウラキ師のほか、国際テロ組織アルカイダプログラマーやオンラインマガジン編集者を務めていたパキスタン系米国人サミル・カーン幹部ら、車に同乗していた計4人が死亡した。

チェイニー氏はこの作戦について「非常に優れた正当な攻撃だったと思う」と述べたが、同時に「現政権が2年前に立ち返り、米同時多発テロへの『過剰反応』を批判した発言を訂正するよう期待している」とも語った。また、オバマ政権が「正当だと思うときには強硬な行動に出る」方針へ転換したのは明らかだとの見方を示した。

CNN.co.jp:チェイニー前米副大統領「大統領は過去の批判を撤回すべき」

そんなオバマさんの変節。まぁぶっちゃけてしまえば、オバマさんは正しく「学んだ」と言うことはできるんですよね。ブッシュさんのようにバカ正直に軍を丸ごと動かしてテロと戦うよりも、そしてわざわざ逮捕してどっか刑務所に放り込んで拷問や待遇云々と批判を招くくらいなら、さくっと秘密裏に殺っちゃった方が問題は少ないだろうと。ええ、まさにその通りです。その意味でブッシュさんよりもずっと合理的だと言うことはできるんです。その是非はともかくとして。
そうした合理性・効率性を追求した結果がチェチェンでのロシアの振る舞いとそっくりになってしまったのは、笑える話であると同時に、やっぱりその方法がある面においての「正解」だったということでもあるんでしょう。彼らは必然の結果として、同じ結論に至っている。確かにそのやり方は、アメリカの若い兵士の命や、税金や、現地の民間人への影響や、そして国民・国際世論など多くの面においてコストパフォーマンスに優れた手法ではあります。
軍事的に、経済的に、政治的に、国民世論的に、もっともさえたやりかたとして。


それは正規軍を動かすよりも、犯罪者として刑務所に入れ続けるよりも、裁判に掛けるよりも、ずっと楽なやり方です。最初に書いた映画の悪役たちは確かに正しいことを言っている。「めんどくさいから殺っちまえ」ええ、まさにその通りです。おそらくブッシュさんもここまで思い切っていれば、あそこまで非難されることはなかったんじゃないでしょうか。
その意味において数年前に「ブッシュはバカでオバマは賢い」と仰っていた人びとの発言は正しかったと証明された。おめでとうおめでとう。