そして誰も買えなくなった

なんかすごいふつうの話になってしまいました。書きたかったのは最終段なのは言うまでもありません。


グローバル化でなぜ格差は拡大するのか 世界は平等化するが先進国の雇用は二極化する(1/3) | JBpress(日本ビジネスプレス)
みんな大好き池田大先生のいつものお話。

 日本で格差がアメリカほどひどくないのは、企業のグローバル化が遅れているからだ。しかし1ドル=70円台が定着すると、生産拠点の移転が本格化するだろう。これによって雇用が二極化し、賃金格差が拡大することは避けられない。

 グローバリゼーションはすべての国を豊かにするが、すべての人を豊かにするわけではない。これによって貧しくなる人々を救済するには、フルタイムの労働者を過剰に保護する雇用規制や高齢者に有利な福祉制度などを改め、個人を社会で支える仕組みに変える必要がある。

グローバル化でなぜ格差は拡大するのか 世界は平等化するが先進国の雇用は二極化する(1/3) | JBpress(日本ビジネスプレス)

まぁ仰っている後半の提言はともかく、前半は概ね同意できます。つまりグローバル化は格差を助長するのだと。それこそマルサス先生やケインズ先生の時代から言われていた話ではありますよね。自由貿易は国内の所得格差を増大させる。
しかしだからといってこうした『格差増大』をもってして「故にグローバル化はけしからんのだ!」と言ってもあんまり筋が良いとは言えないわけです。だってそんなことは多少経済学を齧った人ならばほとんど誰だって解っていることであります。むしろそれを指摘することは「勝つべき人が勝ち負けるべき人が負ける、一体何が悪いのか?」と正当化の一助とさえなってしまうでしょう。確かにそうやって効率化されるからこそ、全体としての富の総量は増大するのです。*1


現に経済(新)自由主義な池田先生がこうして「格差は拡大しますけどなにか?」とぶっちゃけ、そして半ば開き直っても居るように、グローバル化によって真に恐ろしいのは別に『格差の拡大』そのものでは決してないんです。よく反対派の人たちはものすごく勢い込んでその部分を批判しますけど、微妙にズレているんですよね。だってそこを攻めてもそれを推進する人びとにとっては「それが何か?」としかならないんだから。
むしろグローバル化を本当に批判するならば、上記彼のような人が敢えて言及しない「格差の先にあるもの」こそが重要なのです。つまりジョセフ・E・スティグリッツ先生がその著書『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』で書いていたように「需要不足こそ」が恐ろしく、そしてそれに政府が対応できないことこそが危機であるのだと。


生産性向上の追求と広がる所得格差の行き着く先は、(賃金の減少による)需要不足である。供給は増えてもしかし需要が同じように増えていかない。まぁすごい当たり前の話ではありますよね。そしていつもの『需給ギャップ』がうんたらかんたら、の話に戻ってしまうのでした。
一体誰に買わせればいいんでしょうね? 
その視点において「TPPやろうぜ!」は確かに正しいのです。誰かに買わせるために新たな市場を必要とする人たち。まるでいつか見た帝国たちみたいですよね。ぶっちゃければ自転車操業だし、そして地球は有限なわけですけど。しかし一度走り始めた以上止まるわけにはいかないのです。このまま突き進んだら死んでしまうかもしれないけど、しかし今更その『黄金の拘束服*2』を一人で脱いでもやっぱり死んでしまう。
あるいは、もしこうした現状を根底から打破したいと望むなら、もう一つ伝統的な手法がありますよね。世界における支配的なルールを徹底的に破壊する『いつもの』やり方と言えば――以下略。


いやぁ詰んでるなぁ私たち。


そこで一発逆転ホームラン

こうなったら火星や月に住む人に売りつけるしかないね!


宇宙人がいる証拠、何もなし…米政府が公式見解 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
と思ったらホワイトハウスが空気読まない発表してて、
ノーベル賞学者が政府批判「宇宙人を否定するな」 | YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア) | 最上級を刺激する総合情報サイト | 1
そしてクルーグマン先生大激怒ですよ。「宇宙人の存在こそが、次の経済の希望になるということをわかっていないのか」ですって。さすがです。さすがすぎます。

*1:まぁそこで上位10%層の富だけが増大して、残りの90%は損をするという事態も起きてしまうわけですけど。

*2:グローバル経済を受け入れた結果、その利益(黄金)と引き換えに自由を拘束された国家たち。「故に世界はその『拘束服』によって平和になるのだ」的なお話。トーマス・フリードマン著『レクサスとオリーブの木』より。