眠れる獅子「え、もう目覚めちゃっていいんですか? やったー!」

最近盛り上がってる対中国包囲網のお話。


豪北部に米海兵隊駐留へ、空軍でも連携強化 中国は反発 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
asahi.com(朝日新聞社):ASEANと関係強化=米大統領 - 国際
Opinion & Reviews - Wall Street Journal
期せずしてタイムリーになった先日の日記でも書いたんですけど、私たち日本のある東アジアは見事に「時代遅れ」な世界に回帰してしまったなぁと。アメリカがこんな風に好意的なムードで東南アジアに迎えられるなんて時代は変わったものです。かつては『北風』だったアメリカが、中国の台頭のおかげで逆に『太陽』の役割を演じられるようになった、ということなんでしょうか。アメリカさん(労せずに権益拡大できて)ラッキーですね。ベトナム戦争の悪夢は、皮肉にも中国の台頭によって、ようやく終わったのだと。


古典的な勢力均衡や、あるいは封じ込め政策の時代に回帰する私たち。その意味で言えば、今後の対中国の付き合い方の議論においては、かつてのケナンさんの対ソ政策をめぐる論争のようなことになっていくのかなぁと。「アメリカの対中政策に必要なのは、戦略的決意と忍耐と楽観論、の三つが必要だ」なんて。
つまり私たちは中国に対して、「中国には中国なりのやり方を認める」のか、それとも「正しい道(民主主義)を示し、それに誘導させるように動く」べきなのか。一体どちらが正解なんでしょうね?


個人的にはどちらかというとそんな冷戦の構図よりは、前回と前々回の世界大戦におけるドイツのような構図に近いんじゃないかと思っています。なにせ中国の後ろにはあのロシアがあるわけだし。それを味方につけようが敵対しようが、ロシアの不安定化はロクでもないことになりそうですよね。かつての日本やドイツの教訓を思い出すなら『脆弱な民主主義体制』こそがあの悲劇を招いてしまったことを考えると、今のロシアの現状って実はすごい怖いものがあるのかなぁと。ビスマルクさんが居なくなってしまった後のドイツと、プーチンさんが居なくなってしまった後のロシア。
まぁともあれ、これまでずっと『眠れる獅子(笑)』とバカにされていた中国さんも折角目覚めたのにこんなことになってしまっていて、少しくすっとしてしまいますよね。

眠れる獅子「え、もう目覚めちゃっていいんですか? やったー!」

眠れる獅子「どう見ても檻の中じゃないですか! やだー!」

寝ていたのは(日清戦争前からの)大体120年くらいでしょうか、うん、まぁ、ぶっちゃけ寝過ぎですよね。