約束されたリビアの乱

エクスカリバーっぽく言うとかっこよさが上がると思います。


朝日新聞デジタル:リビア東部・ベンガジが「自治宣言」 暫定政府は猛反発 - 国際
ということで規定路線のごとく分離運動に足を踏み入れかけているリビアさんちであるのでした。いやぁあのカダフィ政権打倒の熱狂は一体何だったんでしょうね? 
まぁこうしたお話はリビアだけでなく結構何処にでもあるお話ではあるんですよね。つまり、自分たちの油田で稼いだ金(納めた税金)が何で他所の地域に住むあいつらにまで使わせなければいけないのか、という怒りについて。それはベルギーやイタリアなどの国でも見られるお話ではあるし、そして現在のユーロ圏でのドイツの怒りもそんな要素があったりするのです。俺たちの金があいつらに使われるなんて納得がいかない、と。
もちろんそれがすべて結果的に分裂というところにまで至ってしまうわけではありませんけど、しかし確実にその一つの要因とはなってしまうのでした。最近見事に北と南に分かれたスーダンさんちでも似たようなことをやっていますよね。


http://japanese.ruvr.ru/2012_03_07/67789039/
ちなみに今回のリビアさんちの件で、微妙に面白いことになっているのが上記VoRのロシアさん側からのニュースであります。

リビアで始まった分裂は、中東および北アフリカの豊かな石油・ガス資源全体が、米国の本拠を置く国際資本のコントロール化におかれるプロセスの第一段階と言えるだろう。まさに他ならぬワシントンで、誰に石油やガスを売るべきか、自分達のやり方を受け入れない強情者にはどんな罰を与えるべきかが決められることになるのだ。

http://japanese.ruvr.ru/2012_03_07/67789039/

実際私たち日本としてもそこまでアメリカを信じていいものなのか、という議論は当然あるべきとしても、しかしロシアさんがそれを言うとまぁなんというか物凄く生暖かい気持ちになってしまいますよね。まさかあなたがそれを言うなんて。「自分がやりたいことは相手もやりたいと思うに違いない」的な『自己投影』の構図そのまんまで苦笑いするしかありません。


こうしたリビアの末路を考えると現在のシリアに関して、益々足が遠くなってしまうよなぁと。まさに武力介入の結末がこうした混乱を生み出しても居るわけだから。もしこれが更なる内戦へと発展してしまったら、シリアへの介入議論にも少なからず影響を与えてしまいそうです。