サイバーテロに脅える人たち

やっぱりもし次の『9・11』があるとすればそうした形になるんじゃないかなぁと。


オバマも懸念する深刻なサイバー攻撃の脅威 WEDGE Infinity(ウェッジ)
ということでオバマさんの懸念するサイバー攻撃について。まぁずっと言われてきたお話でありますので今更感ではありますけど、昨日の日記となんとなく関連して。

オバマ大統領が7月19日付のWSJに「サイバー攻撃の脅威を深刻に捉える」と題する論説を寄稿し、サイバー攻撃に備える必要を強調するとともに、上院が2012年サイバー安全保障法を採択することと議会が包括的な法を作ることを求めています。

 すなわち、サイバー攻撃の脅威は、もっとも深刻な経済・国家安全保障上の問題だ。これまで米国の重要インフラが深刻に阻害されたことはないが、外国政府、犯罪集団、個人が毎日、我々の金融、エネルギー、公共安全システムを探っている。核や化学産業を含む重要分野のコンピュータ・ネットワークも攻撃対象になっている。

オバマも懸念する深刻なサイバー攻撃の脅威 WEDGE Infinity(ウェッジ)

まぁ少し前のイランの核施設へのサイバー攻撃や、あるいは中国からのサイバー攻撃といった軍事的なものもそうなんですけども、同時にこうした問題ってかなりの部分「対テロ」という言説でも語られているわけですよね。昨日の日記書きましたけど、だからこそ、オバマさんにとってはそうした対策を進める事は就任以来ずっとある政策課題の一つでもあるわけです。それもその被害の大きさを考えればそれが事実上の「軍事攻撃」に分類されるのも当然ではありますよね。
ぶっちゃけ高層ビルに飛行機を突っ込ませるよりも、銀行などの金融機関をサイバー攻撃によって(情報を盗み取るだけでなく)データを破壊した方がずっと大きな被害を与えることができるのです。それこそ『ドル』を狙って崩壊させるのに最も簡単な方法はそうしたやり方なのだから。直接的に人を殺すわけではないけども、しかし単純にその経済的な被害総額を考えれば比べ物にならないほどの決定的なダメージを国家に与える事ができる選択肢として。
その途方もない被害を考えると、だからこそ彼らは本気とならざるをえないのです。一昨年なんかに「韓国の人たちが2chを攻撃したら実はそれがアメリカサーバーでFBIが動いた*1」なんてお話もありましたよね。


米国がサイバー戦に勝てない理由 WEDGE Infinity(ウェッジ)
その意味で、こちらも岡崎先生の所の少し前の評論で取り上げられていましたけど、やっぱりアメリカは「守るところが多すぎる」からこそやっぱりサイバー戦争では後手後手を踏んでしまうのでしょうね。世界でもそうしたシステムが発達しているアメリカだからこそ。軍事的なそれだけならともかく、しかし送電・通信・航空などの管制といった重要インフラや金融取引など、守らなければいけない場所が多すぎる。
数年来ずっと言われ続けて頑張っているアメリカさんちのサイバー攻撃の戦略について。まぁ当然アメリカさんにとっては軍事攻撃用のオプションとしての存在価値もあるのでしょうけども、しかし9・11以後のアメリカ大統領の最重要の義務の一つとなった「重大テロを防ぐ」という点からもそうした要請はあるんだろうなぁと。


ともあれ、やっぱりそれは私たち日本でも他人事ではありませんので関係者の皆様には頑張っていただきたいものです。といってもまぁ当面はなんか無理そうなので、いつものようにアメリカさんのおこぼれに預からせていただくという方向で是非。