「善良な人が沈黙すると、悪がはびこる」を信じる人たち

その素朴な「自分が善良の側に居る」という確信を見るともやっとしてしまうお話ではありますけども。


ライス元米国務長官が演説、オバマ外交を暗に批判 - MSN産経ニュース
時事ドットコム:シリア反体制派に軍事支援を=オバマ外交を批判−ライス氏
うん、まぁ『世界の警察』たるアメリカが何やっているんだ、とお怒りになる気持ちはやっぱりあるんだろうなぁと。ていうかブッシュさん時代にシリアなどをして「悪の枢軸」とまでは言いませんでしたけど「ならず者国家」と批判して憚らなかった辺り、今のシリアの現状を考えるとさすがだなぁとは思ってしまいます。とはいえ、ぶっちゃけその予言もかなりの面で『自己成就予言』だろうと言ってしまっては身も蓋もありませんが。

【タンパ(フロリダ州)=犬塚陽介】ブッシュ前政権で国務長官などを務め、副大統領候補にも名前が挙がったコンドリーザ・ライス氏が29日、共和党大会で演説し、「後方から(世界を)指揮することはできない」と述べ、オバマ政権の外交政策を暗に批判。米国が尻込みすれば、同盟国や敵国の疑心を生んで「世界はより危険で、混沌とした場所になる」と述べ、ロムニーマサチューセッツ州知事への支持を訴えた。

ライス元米国務長官が演説、オバマ外交を暗に批判 - MSN産経ニュース

しかしオバマさんが介入をやるかというと、多分ないのでしょうね。別に中露の反対による安保理決議が云々というだけでなく――実際それがあったはずのリビアでも彼は真面目に動かなかったわけだし――そもそもやる気がないという彼女の指摘は当たっているのだと思います。ほんともうアサドさんが「最後の一線(BC兵器)」を越えないことを切実に願っていることでしょう。
――でもまぁそれも解らなくはないんですよね。やっぱりもうオバマさんにとってはやっぱりアフガニスタン戦争の清算によってコリゴリなんだろうなぁと。結局10年以上掛かった泥沼にもう一度はまり込む危険性を犯したくないという気持ちは当然といえば当然ですよね。かくして彼は沈黙せざるをえない。
意識して沈黙する人たちと、まったく無関心でいる人たち。同じ沈黙としてどちらの方が罪が重いのか?


しかしタイトルのようなアメリカの伝統的な保守な人たちの言葉*1が、一方の日本では脱原発運動の中の人たちによって連呼されているのを見ると、「善良ってなんだろうなぁ」と色々と考えてしまうお話ではあります。

*1:勿論キング牧師の有名な言葉「沈黙は、暴力の陰に隠れた同罪者である」としてもあるんですけど