「このフランス様が最も好きな事のひとつは、自分で神聖不可侵だと思ってるやつに「ノン」と断ってやる事だ……」

by岸辺露伴先生。いやまぁ「ただ単に彼らの性格がアレなだけだ」と言ってしまってはそれでおしまいではあるんですけど。


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ということで先週先々週とフランスの出版業界のアレさが窺える騒動が巻き起こっていて、愉快なお話だなぁと色々生暖かく見守っていたわけであります。しかしこのケイトさんのトップレス写真のそれと、イスラム教の預言者風刺のそれって、まぁある面からすると実は根本にあるのはどちらも共通していて、とても元祖『共和国』たるフランスらしい振る舞いではないのかなぁと。
「王権も神権もナンボのもんじゃい」というフランス共和国の矜持。
その意味では、この両方の問題――王室へのタブーと宗教へのタブー――に対してどちらも真っ向から突撃していったダブルスタンダードなんて目じゃないフランスさんは、それはそれで清清しいやり方ではないかなぁと感心してしまうんですよね。これでどちらか一方でも引いてしまったら、それこそ「王権からも神権からも自由である共和国」としてのプライドが損なわれてしまう。だからこそ、そこを敢えて両方とも突撃してみせる彼ら。他人事としてはものすごく愉快な光景です。


もちろんただ売り上げが上がればそれでいいという身も蓋もない売り上げ至上主義という面もあるのでしょう。しかしそれでもやっぱり呆れてしまうと同時にフランスらしいと少し思ってしまうんですよね。その「敢えて空気を読まない」性格の悪さも含めて。