ガンダムage雑感

毎度お馴染み「何がしたかったのかはわかるが、やりかったことというのはその程度なのか?」というお話。


みんなだいすきガンダムageが無事に終了したそうで。いやぁみなさんおつかれさまでした。やりたかったこととしては理解できるし素材はきちんと揃っていたんだろうけども、しかし見事に調理と味付けに失敗しちゃった感じというかなんというか。結局、100年戦争ってなんかこうよくわからないけどかっこいいよねー、位のノリになってしまった。
まぁ最大の問題点は「子供向け」という点が一番ネックだったのかなぁとは思います。子供向けだと完全に開き直ることも、かといって大きなお友達向けのガンオタ仕様にすることもできずに、結局二兎を追おうとしてどちらにも失敗してしまった。その点では蛇蝎の如く非難されている日野さんに同情する所ではあるかなぁと。「だからこそ」それなりに実績があるとされた彼の出番だったんだろうけど、しかしその努力もむなしくご覧の有様に。前回の00なんかかなり潔かったんですけども。
おそらく「一見子供向けだけど、実はその裏には深い人間ドラマが〜」ということをやろうとしたのは解ります。ところが見事に滑ってしまった。大作感を出そうとして滑った結果が、理想と現実のギャップが視聴者に明確に伝わってしまったことこそが、あの放映中の異様な反発の嵐だったんだろうなぁと。GガンダムになれなかったガンダムAGE


個人的に面白かったのが、イゼルカント先生の「人が人であるためのエデンを作るのだ」っていうのが共産主義革命っぽかったよね、という点。それがやがて人類全体の革命へと繋がるのだ。それゆけヴェイガン=プロレタリアートという感じでとても微笑ましくなってしまいました。そう考えると権力委譲された途端に何故か人が変わったかのように万能感にとりつかれたゼハート君の変貌っぷりもよくわかります。権力は人を狂わせるのだ。この子あのまま戦争に勝ってたらものすごく大粛清とかしそう。
せいぜいレコンキスタ辺りに留めておけばよかったのに。ていうか元々の火星の人たちの目的ってそこですよね。それをなぜかイデオロギー対立に踏み込んでしまったからキオ君の「みんなわかりあおうよ!」という電波がのさばってしまうことになってしまった。まぁ「土地を寄越せ」「うるせーお前にやる土地は1ヘクタールもないわ」という風になってしまうと、それなんてターンエーガンダム。それでもあちらは最終的にそれが二つに分かれた民族と文明論へと至ったのに対して、しかし今作は何故か共産主義革命風味のよく解らないユートピア論へと走ってしまった。
ガンダムageもあの戦争兵器データベースとされる『エグザDB』についてもっと上手く絡めればもっと面白い結末ができたんじゃないかなぁとは思いますけども(それがあの唐突のラスボス描写と繋がっているんでしょう)しかしどう見ても描写不足ですよね。ザックトレーガーで月へ飛んだら急にターンX出てきて戦って終わり、という感じ。


ということで個人的な感想としては、∀ガンダムからロランとディアナの代わりにアスノ家を配置して月面でのストーリーをばっさりカットしたらガンダムAGEになるんじゃないでしょうか、というお話で一つ。