ノーベル平和賞における史上最もふさわしいもののひとつ

「国家間の友愛関係の促進、常備軍の廃止・縮小、平和のための会議・促進に最も貢献した人物」について。


2012年ノーベル平和賞は欧州連合に、欧州の平和に貢献 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ノーベル平和賞、EUに…危機克服への期待こめ : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
ノーベル平和賞:EUに授与 欧州安定を評価− 毎日jp(毎日新聞)
ということで今年のノーベル平和賞は『EU』だったそうで。えー、多くの人が指摘しているように、なんというか「なぜ今更?」という印象は否定できないかなぁと。まぁオバマさんの時も書きましたけど、毎回毎回それは今後への期待(及び不安)が込められているから、と言ってはそれまでではありますけど。


「もうがんばらなくていいんだ」と気付いてしまった人たち - maukitiの日記
しかし、先日の日記のように普段から散々ネタにしつつ揶揄込みで書いてきましたけども、やっぱり個人的には『欧州連合』という試みについては歴史的文脈からすると重大なターニングポイントであるのかなぁと思ったりするわけで。そんな風に期待しているからこそ、気にせずにはいられないというめんどくさい心情です。
だってヨーロッパの人たちなんて、それこそローマ帝国の終わりから第二次世界大戦の終わりまで延々1500年近くずっとあの大地は戦争と共にあったんですよね。しかし、そんな欧州大陸からほぼ国家間戦争を廃絶して見せたのです。それは人類史においてものすごく重要なメルクマークとなるのではないかと。それは戦争史としてもそうだし、政治史や経済史においても重要な1ページになるのではないでしょうか。
だから「平和に貢献した」というノーベル平和賞本来の位置づけからすればおそらく――実際的に貢献したという意味で――史上最も適切な選出ではないのかなぁと。
ぶっちゃけ2001年の『国際連合』とかより、現実に成果を示してみせたという実績の面では段違いです。だって欧州連合は確かに国家間戦争を廃絶させることに確かに成功しているんだから。人類の歴史全体を探してみても、これだけの直接的な成果をあげたものを探すのは難しいでしょう。少なくとも現状を見れば、現実に、ヨーロッパの人たちは戦争という歴史から決別してみせている。いやぁ羨ましいお話ですよね。
……まぁ今後どうなるかは乞うご期待という感じですけども。


ともあれ、彼らはあの二度に渡る未曾有の戦争被害を経験したからこそ、その境地に辿りついている。おそらくそれは事実なのでしょう。代償というにはあまりにも大き過ぎるものを支払った人たち。だからこそ「欧州連合を見習えばいい」なんてこと簡単に言えないよなぁとも思ってしまいます。