アジアの火薬庫

朝鮮半島台湾海峡南シナ海へ。海なのに火薬庫。


CNN.co.jp : 中国、南シナ海は「自国領」の新旅券発行 ベトナムなど反発
インド海軍 必要あれば南シナ海に部隊派遣 - MSN産経ニュース
アセアン事務局長 南シナ海の領土問題の「パレスチナ化」を懸念: The Voice of Russia
ということでほぼ一貫して圧力が高まり続ける南シナ海周辺国の皆様であります。
まぁ名目はともかく実体として『世界の中心』となりつつある現状を見れば、当然の帰結ではありますよね。世界で最もマネーや資源が集中する場所。文字通り世界の『辺境』だった場所がこうして成長したこと自体は喜ぶべきことなんでしょうけども、しかしやっぱり良いことばかりではないわけで。
自己の発展によって自信をつけているのは中国だけでなくインドだってそうだし、そしてその他の周辺国だって同じなんです。我々は最早大国=中国に言い様にされるような弱小国ではない。かくして彼らは必然の結果として、有効なブレーキがないままにアクセルを踏み続ける事になる。いやぁいつか見た光景過ぎます。


そしてやっぱりこうした事態は私たち日本も決して他人事ではないわけであります。
尖閣は安保対象と明記の法案可決 米上院  :日本経済新聞
その意味で、少し前から話題になっていて、先日法案が可決されたアメリカさんちの「尖閣安保適用明記」も、もちろん日中関係云々という要素もあるんでしょうけども、同時にその関連であるのかなぁと思ったりします。日米同盟を梃子にすることで、間接的に南シナ海の問題への抑止力としても機能させようとしている。まぁついでに身も蓋もなく日本に恩も売れますしね。
単純に対日政策というよりはむしろ、より大きな戦略でもある「アジア重視」の一端なんだろうなぁと。


かのようにして、上記のような一連の南シナ海の現状を鑑みる限り尖閣問題ってもうただの二国間の問題(まぁ台湾もいるんですけどそこはさて置くとして)で済むようなお話ではなくなっているわけで。実際はともかくとしても、しかし事実上『一連の〜』という括りに入ってしまっている。最早私たちはどちらに転ぼうが、否応なくそれは南シナ海の問題にも影響を与えてしまうのでしょう。そしてそれは恐らくより大きな問題を引き起こしかねない。21世紀における新たな『アジアの火薬庫』となりつつある南シナ海について。
――翻って、先日の核武装論議の日記でも少し書きましたけども、私たち日本は悲しいほどにそうした自らが置かれているポジション――二国間ではなくより多元的な国際関係な立ち位置に無頓着ですよね。
少し前に日本の尖閣問題が盛り上がった時も、タカ派な人たちにしろハト派な人たちにしろ、どちらからもそうした議論が少なかったのはまぁなんというかいつもの日本らしいお話ではあるなぁと。その政策が別の国際的な問題に与える影響をまるで考慮していない。国際関係における自らのポジションを客観視できない人びと


そのくせ、国際貢献だとか国際協調などと、臆面もなく言い放ってしまう私たち。それじゃ単独行動主義者と批判されたブッシュさんを笑えませんよね。
自覚があるのと無自覚なのと、一体どちらがマシかと聞かれると困ってしまいますけども。