中国戦線異状なし

「報告すべき件なし」


中国、ネット検閲強化でVPN遮断か 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
中国さんちのインターネット規制について。あちらでは一般的な回避手段であったVPNが潰されたそうで。
――といってもまぁ概ね規定路線ではあるので、それ自体は驚きではありませんよね。

 VPNプロバイダーのアストリル(Astrill)は、利用者に向けたメッセージの中で、グレート・ファイアウオール(GFW)に技術面でのアップデートがあったことを確認したと述べ、GFWシステムは現在「VPNプロトコルを自動で学習、発見、遮断する能力」があると述べた。

 中国のオンライン検閲活動を監視するウェブサイト「GreatFire.org」の創設者は、「中国市民に情報と通信を掌握されることを回避しようとしている」と電子メールで述べている。

中国、ネット検閲強化でVPN遮断か 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

実際、まぁ彼らのような体制の国にとっては「外」から何を言われようが知ったことではないものの、しかし「内」から何か言われるのだけはどうしても避けなければいけないわけで。それこそ共産党や官僚の腐敗、続発し続ける暴動、そして世界でも最悪のレベルになりつつある経済格差だとか。海外に居る人間に知られるのはどうでもいいが、国民に知られるのだけは避けなければならない。重要な役割を果たしたとされる『アラブの春』もありましたし。ついでに中国独自過ぎる歴史観『愛国教育』の維持目的もあったりするのでしょう。
この現代ネット社会において、如何にして国家主導の情報統制システムを構築するのか、という壮大な試み。


その意味で、中国さんちのこの一連の試みって今後の世界全体のインターネット社会の将来を占う重要な攻防戦なんだろうと思うんですよね。日本でもネット規制の話が偶にちらほら出たりしますけども、正直その辺の進退は結構どうでもよくて、むしろこの中国さんちでの戦いこそが本丸なのだと思います。
国家によるネット遮断が正当化される――ITR改正、日本など55カ国が署名拒否 -INTERNET Watch
実際、その規制を願っている国は少なくないわけで。というか世界全体で見ればむしろ私たち日本や欧米など、規制反対派の方が少数派(上記改正案では55:89)ですらあります。
そこでもし、中国さんちがその体制を完成させてしまったら、おそらく多くの国がその後に続くことになるでしょう。上記国連での賛否を見る限り、もしその有用性が証明されることになれば、中国さんちのインターネット検閲システム「グレート・ファイアウオール(万里のファイアウオール、Great Firewall of China)」を求める国は大量に出てくるんじゃないでしょうか。
故に――日本などでの攻防は末節の意味しかなく――中国で行われている今の戦いこそが、まさに主戦場であるのだと。どちらにしても主戦場の結果こそがその後の流れを決めることになるだろうから。失敗すれば勢いを失うだろうし、逆に成功すれば……。いやぁロクでもない未来しか思い浮かびません。


ということで、それに対抗すべく頑張っている個人や企業(多分米国政府なども協力しているのでしょう)の皆さま是非ともがんばれ。