「先制攻撃で有利な講和に持ち込むのだ!」という人たち

これ70年前位に見たことあるわー、なお話。



米中の誤算で高まる衝突の可能性 WEDGE Infinity(ウェッジ)
ということで「誤算」による紛争危機。

 中国の近海島嶼に対する戦術は、西太平洋における中国のA2/AD戦略の一環であり、米中間の誤算による衝突の可能性が高まっている、とのラックマンの指摘は、基本的に正しいものです。中国側の戦術の本質は、長期かつ執拗に、日米海軍などとの正面からの軍事的対立を極力避けつつ、相手の物理的、精神的消耗を待ち、ミスに乗じて「戦わずして勝つ」ことです。こうした戦術は、判断ミスなどによる偶発的衝突を引き起こしやすいのです。

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こうして神経戦を仕掛けている中国さんの側がなぜか『誤算』によって偶発的衝突を招くというのは、やっぱり「国民世論による突き上げ」という面が大きいのだろうなぁと。
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こうしたお話を見ていて思い出したのが、上記FTさんちの「中国内での愛国教育が中国人の世界観を歪める」という記事であります。
中国独自の愛国教育の結果として「中国は世界に冠たる超大国でありアメリカは経済危機と中東での失敗によって最早『張子の虎』に過ぎない。故に尖閣諸島で限定戦争を仕掛ければ獲得できるはずだ」という意識は国民に広く根付いている、としています。いやぁ完全に間違っているとまでは言いませんけども、そのように確信されてしまうと、なんというか、私たちの中二病的な過去を思い出してしまってツライ。
煽ったのはいいけれど、結果としてそれを無視できなくなってしまう人たち。
かくして、彼ら中国から見える世界と、中国を見る世界は乖離していく。
中国戦線異状なし - maukitiの日記
本来であればそうした乖離をインターネットという素晴らしき道具が和らげてくれるはずが、しかし前回書いたように彼らはそれを拒否しているわけで。軍事的なA2/AD戦略だけではなく、「情報」の接近阻止・領域拒否戦略。前者だけでなく後者やはりも彼らにとっての核心的利益なのだろうなぁと。例えば北朝鮮のような小さくそして文字通りばっちり独裁な国がやるならばともかく、あれだけの人口を抱えつつしかも政治指導者達はそうした「国民の声」を完全には無視できない、というのは恐ろしいお話でもあります。
まぁよくあるお話というか、やっぱりいつか見た風景ではありますけども。複雑な気持ちになってしまいますよね。