人生に必要な知恵はだいたいネトゲで学んだ その1「グローバル化こわい」

その2があるかどうかはまったく未定。


PCゲーム「ディアブロ3」で経済を学ぶ|WIRED.jp
ということで去年の記事ではありますけども、ディアブロ3のRMTリアルマネートレーディングに絡んだお話。
ちなみに人生で初めて某UOに触れて以来、あくまで個人的な未来の風景として「仮想世界のRMTだけで生きていく」という究極的な夢があったりします。その意味で、公式RMTが用意されたディアブロ3はとても興味深いものではあったんですよね。やろうかと思ったんですが時期的にタイミングが合わなかったのと、もう一つ言葉の壁を感じそうだったので断念。その後クソゲーっていう評判が以下略。ネトゲはいつだってタイミングが命ですよね。
ともあれ、上記記事を見ると、まぁなかなか愉快なことになっているそうで。

しかし、ディアブロ3のリアルマネー・オークションハウス(RMAH)は、プレーヤーのコミュニティにおいて数多くの争いを巻き起こした。なぜなら、有料でメインストリームの、何百万人ものアクティヴユーザーのいるアクションRPGに、現実の貨幣によるオークションが適用されたのは初めてだからだ。

それでは、6カ月以上にわたるブリザードのオークションの経験から、どのようなことを学ぶことができるだろうか? 以下が、恐怖の支配者ディアブロが与えてくれた3つのレッスンである。

PCゲーム「ディアブロ3」で経済を学ぶ|WIRED.jp

で、以下「アイテムの稀少性の長期下落」「無限に増大し続けるゲーム内貨幣と現実貨幣とのバランス」「転売ゲー」と本文では続いているわけです。
まぁ多少なりともネトゲに嵌ったことのある人ならどこかで見た風景ばかりで「あるあるー」と頷いてしまうお話なのではないでしょうか。この辺りはどれもネトゲ(特にMMORPGなどでは)のバランスの根幹でさえあります。「無限に溢れていくアイテムの総量を如何にして調整するか?」「無限に湧き出るゲーム内貨幣を如何にインフレ調整するか」「その取引のほぼ全てを担うであろう『バザー』をどのようなシステムにするか?」
この辺の経済システムが杜撰だと、もうその時点でほぼ糞ゲー確定となってしまう。わー現実そっくりー。ちなみに最近のソシャゲ等で流行なのは「プレイヤー間のトレードそのものを禁止する」であります。力技過ぎていっそ清清しい。



さて置き、まぁ結局このディアブロ3のRMTシステムもやっぱり上手く機能しなかったそうですけども、やっぱりそれもさもありなん、という所ではあるんですよね。上記のように出来る限りの「真っ当な経済システム」を構築しても尚、ネトゲたちは長期的には全員死んでしまうことになる。
何故かってそりゃ現代ネトゲはほぼ例外なく、所謂『中華』な人たちが大量に「のりこめー^^」してしまうから。
現代のゴールドファーマーたち。
4Gamer.net ある中国人ゴールドファーマーの1日
驚愕!中国の刑務所がゴールドファーマーの巣窟になっている実態が明らかに! : 海外ゲーム情報ななめ読み
Rasphard's Diary 中国 ゴールドファーマーしか就職先がない地域
この辺はそれが公式であろうと非公式であろうと、私たちが通常のRMTでは生きてはいけない理由そのものだったりするわけです。つまるところ、それが少しでも金銭的=時給的に美味しい取引であったのならば、そこに「仕事」としてやる人びとが大量に殺到することになるから。対策が穴だらけだとBOT(プログラムによる自動狩り)大投入がされてしまうし、仮にそれがなかったとしても彼らは文字通り『仕事』としての圧倒的な作業量によって彼らは膨大なゲーム貨幣を生み出していくのです。
それでもまぁ一般的な「日本人として」マズいレベルだったらまだマシだったんです。実際2003年頃までの日本でもそこそこ生きていける素地はあったりしたのです。今となっては懐かしい風景。
ところがそれ以降に、まさに「グローバル化」によって参入してきた彼ら『中華』な人たちはそれこそ時給100円になるレベルの所まで延々とその『仕事』を続ける。きっとそれでも彼らには儲けが出るのでしょう。しかしどう見ても一般的な日本人や欧米の人にとっては割に合わない作業ですよね。時給100円程度の作業と言われるととても虚しくなってします。
ただ、もちろん例外もあって、ボス狩りや生産や転売など、特定の才能と人脈のある人ならばやってやれないことはありません。単純労働の攻勢に対して、正しく「知識と経験」で挑む人たち。それを使って普通に働いた方がマシだろうと言うのは禁句です。


しかしそれでも大きな流れとしては、彼らの不断の努力と人海戦術によって「僅かな現実貨幣で、膨大なゲーム内通貨が手に入るよ」というとてもインセンティブの働くRMT市場は完成することになるのです。
まさに現実の風景として既にあったように、その圧倒的に安い労働力によって制圧されるRMT市場たち。彼らのその『生きる糧』としての情熱は、『遊び』を前提にしたネットゲームという仮想世界における経済システムを悉く破綻手前にまで追い込むことになる。
そして、そこに是非などない。


いやぁグローバル化ってほんとうに怖いですよね。