真に必要な人たちだからこそ届かない民主化

まるで詐欺のようなお話。


デモ隊が大統領府に火炎瓶 1人死亡 エジプト 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
暗殺された野党指導者の葬儀に数万人、警官隊と衝突も チュニジア 写真7枚 国際ニュース:AFPBB News
首都周辺で激しい戦闘、遠のく和平への道 シリア 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
ということで最近になって特に大盛り上がりの『春』経験者たちの皆さんであります。季節が過ぎて『冬』まっさかり。シリアやエジプトさんちはともかくとして、比較的落ち着いていたはずのチュニジアさんちまでもまさかの野党指導者の暗殺で見事に大炎上。劇的過ぎてテンプレになりそうです。


本来であればこうして多様性・宗派に富んだ人たちであるからこそ、むしろ民主化が必要だったはずなのに。『一つの国家』として政治におけるハードルであった宗教的・社会的差異を埋める為に必要だったもの。政治的混乱とそれに伴う暴力を抑制することこそが民主主義の保障機能だったはずが、むしろ全く逆に、そのことこそが、こうして混乱の根源となってしまっている現状について。
ところが現実にはあまりにも多様性が強すぎると、そこに到達さえできない。まぁなんというか看板倒れというか、語義矛盾なお話ではありますよね。
まぁこうして結果論で見ると、そもそも彼らが準備不足だったのが悪いといってしまってはおしまいですけども。しかしまぁそれも後の祭りではあります。とにもかくにも、最早彼らは始めてしまったわけだし。
アラブの春』という帰還不能点を越えてしまった彼ら。残る道はアルジェリアのような暴力と強権による半独裁か、あるいは民主化というゴールしかない。


こうして宗教が力を持つ社会「だからこそ」民主主義が必要なはずが、ところがそんな社会「だからこそ」民主化の道はより困難なものとなっている。いやぁ民主化ってメンドくさいですよね。