（自分にとって都合のいい）法則の創造や、既存法則を超越した奇跡を願うひと。新世界の神たらんとす。
永久機関という言葉をやたら見かけると思ったら… - Togetter
わーたのしそー。まぁなんというか、あれです、「常識に囚われない柔軟な発想が素晴らしい」と誉められるかもしれませんよね。子供の頃なら。
釤エネルギー保存の法則釤や、量子物理学なんか守っていたら釤奇跡は起こせない釤これまでの理論、法則を打ち破ってこそ、新しい次元に突入出来る。藤子不二雄や手塚治虫を観てこなかったのかな？
永久機関という言葉をやたら見かけると思ったら… - Togetter
その科学教育の敗北云々についてはまぁ語られ尽くしているようなのでさて置くとして、個人的に斜めからの感想三点。
- 『文明人』の資格
- こうしたことを臆面もなく言いきってしまう人でさえ、文明的な生活――テレビを見たり、携帯電話を操り、車を運転し、インターネットを使っている――を何ら支障なく送れていることを考えると、まぁ色々と考えてしまうよなぁと。
- かくして「猫を電子レンジにいれてはいけない」的な文言で説明書は分厚くなっていく。
- ある意味で典型的な『生存バイアス』
- まぁ結果だけを見ればそう見えるのは理解できなくはないんですよね。それまでの歴史にあった無数の試行錯誤や失敗を無視すれば、なんでこんな制限ばかりの使い難いモノが生き残っているのか、もっと他に何か良いものがあったはずだ、なんて風に言ってしまうのも理解できなくもなくもなくないとも言えなくもなくない。
- 逆にその背景にある歴史を知ると、何でこんな計算され尽くされたかのようにしか見えない法則が存在するんだ、という所に至ってしまう人も少なくないわけですけど。まさに神の存在証明であると。
- 『真理』は創造するものなのか？
- 昔の日記真理とは「発見」するもの？ それとも「創造」するもの？ - maukitiの日記でも書きましたが、そのような物理法則＝『真理』とは我々が発見したものなのか、それとも創造したものなのか？
- 「何でこんな欠陥品が幅をきかせているんだ！」と怒る人。まぁとっても人間本位というか、人間の無限のパワーを信じている人ではありますよね。それが人間のチカラでどうにかなると本気で確信している。所謂『宗教的』とは実は真逆に居るのでしょう。
- その意味では、とっても人間賛歌お人ですよね。とっても前向き。人間は原罪的存在なので「文明を捨てて自然に帰れ」という人よりは、むしろこういう人のほうが個人的にはマシかもしれない。
しかしまぁ歪んだ動機として描写される「（俺が悪いのではなく）社会が悪い！」という良くある責任転嫁の論理がありますけども、こうして「物理法則が悪い」という次元まで来てしまうとなんか逆にスケールが大きくなってすごい。そしてちょっと怖い。世界の歴史を振り返ると、かつてはこうした人が集団内で絶対権力を握った結果起きた、理解不能な悲劇が無数にあったのだろうなぁと。
いやぁ彼にそんな行動力が無くて良かった。
