遠くの異教徒より近くの異宗派

タイトルオチ。敵の敵はやっぱり敵だった人たち。まぁ昔のヨーロッパでもあったお話ですよね。



シリア反体制派、北部の空港を攻撃 ヒズボラが介入と批判 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
ということですっかり膠着状態になって大きなニュースにもならなくなってしまったシリアさんち――といってもこうして毎日数十人数百人と死んでいるわけですけど――ではございますが、上記のとおりずっと懸念されていたヒズボラさんちにまで炎上し始めていると。

■「内戦で政府側についた」と反体制派がヒズボラを非難

 一方で反体制派の主要勢力シリア国民評議会(Syrian National Council、SNC)は17日、レバノンイスラムシーア派組織ヒズボラ( Hezbollah)が、2年に及ぶシリア内戦に介入し、政府軍に協力して戦闘行為を行っていると非難した。

 SNCは、ヒズボラはシリア政府軍の支援を受けて重火器を使用しており、レバノン政府は責任をもってこの「侵略攻撃」を阻止すべきだと主張した。

シリア反体制派、北部の空港を攻撃 ヒズボラが介入と批判 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News

うん、まぁ、こういう膠着状況だからこそ、間接的な政府軍支援となっている彼らの問題へと波及したとも言えるのでしょうけど。あともう少しで押し切れるかもしれないのに、それを邪魔する奴らがいる。
http://english.alarabiya.net/views/2013/02/21/267505.html
――で、ついに反政府側からヒズボラへ48時間以内の介入中止を求める最終警告だそうで。停止しなければシリア側からの越境攻撃も辞さないと。


まぁ元々ヒズボラさんとシリアさんちの関係といえばほぼ完全にズブズブであり見事な『テロ支援国家』らしい関係だったわけなので、こうした一連のシリアの内戦において、支援するのも支援されるのも、まったく理解できるお話ではあります。だからこそ、シリアの内戦が周辺諸国にまで波及する可能性はこうした面からかもしれない、と当初から懸念されていたわけですよね。
そしてついに最悪の事態へ近づきつつあると。
更にその背景にあるのは、複雑で紆余曲折なシリア―レバノン間の関係があるわけで。単純にヒズボラはほぼ一貫して親シリア=アサドですが、一方それ以外のレバノン国民といえば、アサドさんのレバノン内政介入と反シリアな首相暗殺未遂そして2005年の杉革命*1を頂点にして、親シリア派と反シリア派が入り乱れていてとてもシリアに好意的とは言えない。
そこにシリア反政府軍が乱入したら、ただでさえ現状でもシリア内戦の影響を受けてアレなのに、……まぁとても愉快なことになってしまうのだろうなぁと。イスラエルさん辺りはほくそえんでいそうですけど。


がんばレバノン