「インターネット企業は自由すぎる」と考える人びと

同じ顔をする人びと。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37359
フランスさんちでスカイプ規制ですって。

 スカイプは欧州本社をルクセンブルクに置いており、欧州連合EU)の法律の下でフランスがスカイプに刑事制裁を課せるかどうかは疑わしいものの、ARCEPの訴えは、大手インターネット企業を取り締まろうとするフランスの意欲を裏付ける最新の証拠だ。

 グーグルは今年2月、フランスの新聞業界と長らく繰り広げた著作権論争で和解し、新聞社のウェブサイト開発を支援するために6000万ユーロの基金を立ち上げるとともに、新聞社側に回す広告収入を増やすことを約束した。

 一方、与党・社会党の一部議員はフランス国内におけるグーグルの活動に課税することを求めている。また、フランスの裁判所は最近ツイッターに対して、人種差別的なツイートを発信した人物を特定するよう命じた。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37359

へー。
まぁSkypeさんにはあの悪名高き中国版の『TOM-Skype』がありますので、そのフランス版でも入れたらいいんじゃないかな。以下大紀元ソースではありますが、日本語で新しいニュースとしてまとまっていたので引用。

 TOM-Skypeは香港のトム・グループ傘下の「北京訊能網絡有限公司TOM在線」とマイクロソフトが提携する中国国内版Skype。現在、本土で約9600万人のユーザーがいる。

 ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌の報道に対して、マイクロソフト社の匿名関係者は、「トム・グループは中国の法律に従い一部の特殊機能を取り付けた」と認めている。中国外交部は同誌の問い合わせに対してコメントしていない。

 Skypeの検閲疑惑は2006年6月と2008年10月にも提起されていた。カナダのトロント大学でインターネット検閲を研究するナート・ヴィルヌーヴ氏も2回ほど報告書で、同様の調査結果を発表した。

 今回、ノーケルさんが検閲の対象となるキーワードを割り出したことに大きな進展があったという。これらのキーワードは国内・国際情勢にしたがって変化し、ユーザーがスカイプにログインする際に、自動的に最新のキーワードデータが登録されているサーバーにつながるという。

 ノーケルさんは約2年間にわたる研究で2000個以上のキーワードを突き止めた。その中には、集団弾圧を受けている「法輪功」とその精神理念「真善忍」、脱共産党運動を意味する「退党」、共産党に関する九つの評論を指す「九評」、1989年に発生した学生民主運動・六四天安門事件を意味する「六四」、尖閣諸島の中国語名称「釣魚島」などが含まれる。

中国国内版Skype、ユーザーを監視 マイクロソフト黙認か

まぁぶっちゃけこうした協力関係はマイクロソフトSkypeだけでなく、ヤフーも、グーグルだって同じなわけで。反体制派のヤフーメール中国当局に渡し、そしてグーグルは政治的に都合の悪い検索結果を操作する。


「インターネット企業は(政治的に)自由すぎる」と中国さんは考え、「インターネット企業は(経済的に)自由すぎる」とフランスさんは考える。
その原因はともかくとして、結果として同じ結論にたどり着く人びと。「「ならば制限しよう!」」と。


――しかしこのお話で更に愉快なのは、おそらく、こうしたインターネット企業自身にとっては、同じ結論でありながらも「政治的な」前者よりも「経済的な」後者の方がよりガマンがならないという点であるのでしょう。だって前者ならば幾らやっても彼らの企業利益が損なわれることはないけれども(むしろそれを呑めば中国市場参入という褒美が手に入る)、しかし後者はそうではないから。

 スカイプがフランス国内で通信会社として分類されることを渋るのは、一定期間にわたりインターネット通話の記録を保管することを保安当局に義務付けられ、多大なコスト負担が発生するためだ。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37359

故に彼らは後者に対してこそ――少なくとも表立って――抵抗しようとする。
まぁ別に彼らは社会的良心の為ではなく、利益のために生きる企業なのだから当然の帰結ではありますよね。更には大多数の利用者たる私たちも別にそれを気にしようとしない。「Don't be evil」なんてカッコよく言われても、別にevilになったって自分に迷惑が掛からなければそれでいい。それより「七月からgooglereader使えなくなるなんてどうしよう」と頭を悩ましてしまう。マジどうすればいいんだ。


ロクでもないのはそんな企業自身なのか、それともその企業を愛し支える私たちなのか。