「インターネットは自由だ!」と確信している人びと

昨日の日記の対比として見ると色々と生暖かい気持ちになってしまいます。


おう!“バール”持って来い!! - Togetter
http://giza.doorblog.jp/archives/24572520.html
エロゲー『ハピメア』割ったニコ生主がビビって謝罪 → しかし手遅れ Purple石川代表「しかるべき場所で述べればよいとおもいますよ」|やらおん!
わーたのしそー。所謂「口が滑った」系かと思ったら、元々それをネタに生放送をやっている子(成人)だったという。うん、まぁ、なんというか、典型的な現代ネットの申し子という感じ。


もちろんそうした違法ダウンロード自体は、当然批判されるお話ではあります。それでも「捕まるリスクがある」と理解した上でやっているのならばまぁ究極的には自己責任の範疇だろうと思うので勝手にすれば良いと思うんです。どうせ知らない人だし。ところがこうして「捕まるわけないwwwwww」とやられてしまうと前者とは別の意味でものすごく気の抜けるお話となってしまいますよね。
他人事ながら、この名指しで煽られることになったエロゲ会社の中の人も、おそらく、そうした面で「無視できなくなってしまった」という強いのでしょうね。怒り云々というよりはむしろ、このバカな成人を追い詰めているようで、公的な場で煽られ面子を潰されたことで追い詰められてしまっている。社会人ならば当然身に着けているはずの処世術の一つ。相手の面子を決定的に潰さないことこそが円滑な人間関係を築く。


しかし、こういう人たちは「ネットは広大だわ」を無批判に確信しているのだろうなぁと。torrentやっていても現行犯じゃないから〜、証拠がないから〜、とか言っていますけどもそんなもんISP側からすればモロバレなわけで。こんなことはあの悪名高き2chのdownload板の常識ですらある。「逮捕されない」ことと「バレていない」ことはまったくイコールではないはずなのに。その点こそを致命的に勘違いしている。
スマイリーキクチさんの一件から得られる教訓について - maukitiの日記
この辺は、以前スマイリーキクチさんの炎上騒動で煽りまくった結果取調べを受けるに至ってしまった人々と同じ光景で、やっぱり根幹にはこうしたことがあるのだろうなぁと。彼らに足りないものは、知性・常識・マトモな友人・自制心・謙虚さ、そしてなにより教育が足りない。

その意味で、彼らが犯した失敗の中で本来避けられたはずのものって、その自らが安全地帯に居ると勘違いしたインターネットの『匿名』信仰、というお話ではないでしょうか。ほんともう一体なんで彼らはそんなバカな勘違いをしてしまったんでしょうね? それこそバスジャック事件以来の2chでは恒例行事のように定期的に逮捕されているのに。自分が裸であることに気付いていない王様たち。

スマイリーキクチさんの一件から得られる教訓について - maukitiの日記

まぁとても平和ボケした日本的風景といってはそれまでではありますが。
別に陰謀論的に「全ての通信は政府の秘密組織に監視されているんだ!」の地平にまで行けとは言いませんけども、私たちの通信は確実に記録に残るということは、それこそ最低限のリテラシーとして、理解しておくべきだよなぁと。昨日の日記でも書きましたけど、少なくとも監視体制の整った国家ではそれは既に現実の出来事として行われているのだから。
最悪のネット監視国は中国とシリア、国境なき記者団が報告書 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
いやぁおっそろしいお話ではありますよね。全然ネットは広大じゃない。





ちなみに、あまり本題とは関係ありませんけど、この構図を見ていて思い出したのは、銃社会アメリカなどで拳銃を突きつけられた状態で犯人に向かって「撃てるもんなら撃ってみろよwwwww」とやると本当に撃たれてしまう可能性がむしろ高まる、というお話でしょうか。
つまり、今回のお話から得られる教訓とは『自分の生殺与奪を握っている相手を無闇に挑発してはいけない』という身も蓋もないお話。最初に一言謝っておけばそれで終わっていただろうに。