未完のDPJ:「決断できぬ」民主党の運命

彼らは完全にワンマン党首に頼ることも、かといって完全に政党本位の組織にすることもできなかった故に、党としての結束を生み出せないまま決められなくなっていった。


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ということで選挙戦の総括の一環として管元首相の離党勧告がなされたそうで。ついでにとばっちりとばかりに鳩山さんへも処分が。まぁそんなことが出来るなら、それこそ衆院選後あるいはせめて都議選の後なりに、もっと早くやっておけばもう少し今回の結果もマシになったのかもしれないのにね。
個人的には、このニュースを見る直前辺りに民主党が復活するための平凡で分かりきった唯一の方法さんの「どうしたら民主党は復活できるのか?」という記事を見た際に真っ先に思ったのが、まさに上記「管さんと鳩山さんの首を切ればいいんじゃないかなー」だったので、まぁ少なくとも個人的には妥当な処分ではないかと思うところではあります。陰謀論風に見ると、例の山本太郎さんを勝たせるために管さんは民主党の分裂を煽ったんじゃないかと勘ぐってしまえるほどに、見事に民主党が分裂した結果、東京における議席を得ることに失敗したわけだし。
朝日新聞デジタル:菅氏が離党勧告を拒否 民主・海江田代表と会談 - 政治
民主 菅元首相の処分問題巡り混乱続く NHKニュース
ところがどっこい管さんはそれを毅然と拒否し、そしてそれを受けた民主党内はそのまま困ってしまったというオチ。だから何でこの人たちはこんな事態になる位なら始めから言わなければいいのに余計なパフォーマンスを衆目に晒してしまうのかと。上で述べたように僕はその処分に賛成ではありますが、しかし、こうしてグダグダになるならそれこそはじめからやらない方がまだマシなわけで。なぜ角を取らないのか。なぜ見通しを立てる前に動いてしまうのか。誰か会議の前に根回しをする人は居ないのか。まるで成長していない人たち。
かくして、ザ・決められない(党内)政治、という失態は例によって例のごとく有権者の目に晒されることになる。
まさに彼らはそうした『党』としての纏まりを欠いていた点こそが、政権時代の失態における多くの説明がついてしまうわけで。まぁそもそも論を言ってしまうと、そこできちんと決められる位ならばはじめからこんな苦労はしていない、と言っては身も蓋もありませんけど。


かつて、せいぜい15年ほど前にはその誕生とともにマスコミから「鳩管コンビ」と持ち上げられた二人の作った民主党
それこそ本当にそんな二人にもっとカリスマがあれば良かったんですよ。あるいは彼らにまったくそんなもの(金も個人的魅力もマスコミ人気も)なくて、初めから『党』こそが主体であるという体制を作ってさえおけば、この運命の如く到来した悲劇は避けられたのかもしれない。しかし彼らは民主党を独裁で切り盛りできるほどのカリスマはなく、かといって民主党を完全にそんな鳩管コンビの影響力を廃した党を主体とした「民主的な」組織にすることにも失敗した。
二人はそのどちらにも到達することが出来なかった。そしてその後にやってきたトロイカ体制でも解消されるどころか、より確固となってしまった。完全に一部の党首や党幹部のカリスマに頼った運営も、完全に党主体の組織運営を生み出すことも。その権力の優先順位を最後まできちんと確定することができなかった。
その果てにある現在の民主党の姿。党の功労者をそれでも擁護することも、かといって果断に処分することも出来ず、結局「決められないこと」だけが露呈する。


未完のデモクラティックパーティオブジャパン。まるで運命のごとく、彼らは政権が近づけば近づくほど、その党内規律を維持するのが難しくなっていった。
ワンマン独裁的な党運営も、かといって真に民主的な党運営も、そのどちらにも到達することができなかった故の悲劇。せめてどちらかさえあれば――その是非はともかくとして――何かを決断することができたかもしれないのにね。
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まるでいつか見たとっても旧日本的な風景だよなぁと。