選挙に勝って勝負に負けるメルケルさん

そういえば書くの忘れてたネタで縮小日記。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38800
先週のお話になりますが、ギリシャ危機の最中などはまぁ色々言われてはいたものの下馬評通りなんだかんだであっさり勝利したメルケルさんであります。世界で最も影響力を持つ女性の一人というのは伊達じゃない。でもドイツの選挙制度というのは、過去の反省もあったりするのか、それはもう第一党が「勝ちにくい」選挙でもあるわけで。つまり多くの場合で、選挙で勝っても当然連立相手を必要とする。

 明らかに勝者となったアンゲラ・メルケル氏は、長引くユーロ圏危機、世界経済が再び減速することへの懸念、国内の深刻な社会問題と人口動態上の課題に対処するために、安定した政府を望んでいる。メルケル首相は戦いには勝ったかもしれないが、同氏が率いるCDU(およびバイエルン・キリスト教社会同盟CSU)は絶対多数に5議席足りない。

 メルケル氏の現在の連立相手である自由民主党(FDP)が1議席も取れずに戦場から去ったため、メルケル氏には、自然に組める保守の連立相手がいない。かつての敵であるSPDもしくは緑の党のどちらかと過半数を獲得しなければならないのだ。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38800

これまでのメルケルさんの戦績って、彼女自身は勝つものの、一方の連立相手が毎回沈むというパターンが続いてきているんですよね。おっそろしい魔性の女であります。で、今回も見事にそのパターンに従ってFDPは沈没した。でも彼らってただの連立の穴埋め政党というだけでなく、普通に伝統ある中道右派政党であり、その行方こそがキャスティングボートを握る重要な第三政党でもあったんですよね。
まぁ今回の選挙では見事にメルケルさんの眩しすぎる光の影――リーマンやらユーロ危機やらの経済的自由主義の衰退、となって消え去ってしまったわけですけども。


ということで次の連立相手も、メルケルさんの魔性の力によって致命的に衰退してしまう可能性=メルケルさんはともかく連立相手がダメだなと思われてしまう可能性、というのはなきにしもあらずであります。何故かそのダメな責任がほとんどまるっと連立相手へと向かってしまう。
おそるべきメルケルさん。一体誰がその犠牲者となるのか乞うご期待。