都市化するMMORPG

どちらかといえば多くの人が望んだはずの社会。


議論:MMORPGの「ダンジョンファインダー」(パーティマッチング)は良いのか悪いのか - Kultur
とっても興味深いお話。現在のMMORPGで主流となりつつある自動でのパーティ募集機能である『ファインダー』の是非について。

ダンジョンファインダーがMMOの文化を激変させた


Chris:
ダンジョンファインダーがない頃の日々について一番覚えているのは何かわかりますか?
当時は皆がパーティの一員として協力し、最後までがんばりました。誰も失敗したくなかったし、誰かが歓迎されていないと感じてパーティを離脱したり、孤立させたくなかったから、皆で冗談を言い合ったり、お互いに協力したりしました。最近では、それは当たり前ではなくなっています。ろくなコメントもせずに風のように途中で去っていくプレイヤーもいます。


Bill:
ダンジョンファインダーがMMOにおいて数々のグループ形成を行っているのは周知の事実です。
しかし同時にダンジョンファインダーは、チャットチャンネルにメンバー募集文をスパムのように掲載することなく、プレイヤーが簡単かつ迅速にパーティを組むことができるようにしています。
ダンジョンファインダーの利点はグループコンテンツへの参入障壁を下げるという点です。ボタンを数回クリックしてマッチングするのを待てばいいだけで、混み合ったチャットチャンネルでメンバー探しに2,30分以上費やすのよりは数段マシです。Chrisがダンジョンファインダーを嫌う理由を否定するわけではありませんが、私はまだダンジョンファインダーはQOLを改善するものだと思っています。完璧ではないけど良いもの。

議論:MMORPGの「ダンジョンファインダー」(パーティマッチング)は良いのか悪いのか - Kultur

言われてみれば解らないお話ではありませんよね。あまりに簡単にパーティを組めるようになってしまった故の、その存在価値の決定的な低下。初期からやってきたオッサンなネトゲプレイヤーである個人的には、下手すれば数時間のパーティ募集地獄、という過去の風景よりはずっとマシだとは思いますけど。でも確かにあれはあれで様々な交流があったりもしたんですよね。


まぁこの辺のお話と近い構図だなぁと思うのは、所謂「近所付き合いが死ぬほどめんどくさい田舎社会」と、そして「隣近所と挨拶さえしない都市社会」という感じでしょうか。ダンジョンファインダー登場以前の、かつてのMMORPGでは前者であったし、逆に現在のMMORPGでは後者の風景が日常となりつつある。
「たかだか近所に買い物行くくらいで何でそんな挨拶ばっかりしなきゃいけないんだ?」と同じ視点で語られる「なんでたかだかダンジョンに一回行くくらいでそんな(中身のない)会話をしなければならないんだ?」なんて。
しかしその一方で、そんな個人主義の極みにある現代の都市社会と言うのはやっぱりそれはそれでデメリットが語られていたりするわけですよね。人付き合いの希薄さや、地域社会の衰退などなど。上記の議論で語られているように、MMORPGの中ですら同じことが懸念されていたりすると。
構図としてはやっぱりそんなリアル社会と同じ道を辿っているのだろうなぁと、最近のFF14DQ10をやっていて思ったりします。個人主義の進むMMORPG。でもそれって時間投入量抑制の為には致し方ない方法でもあるのでしょう。私たちは悲しいことにネトゲだけやって生きていくことはできないのだから。


みなさんはいかがお考えでしょうか?