労働者たちはハンマーの夢を見るか?

ロボットこわい。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39930
『労働』を愛する私たちにとってどうしても無視できない故に、飽きることなく語られる「ラッダイト」や「機械化時代」のお話。

 また、「コンピューター化は近い将来、求められるスキルが低く賃金も低い仕事で主に進められることになろう。対照的に、求められるスキルが高く賃金も高い職業は、コンピューター資本の影響を最も受けにくい」という。これでは、不平等は拡大してしまうだろう。

 コロンビア大学ジェフリー・サックス氏とボストン大学のローレンス・コトリコフ氏は、生産性の向上は将来の世代の暮らし向きを全体的に悪化させるかもしれないとまで論じている。労働者をロボットに置き換える動きが進めば、所得は労働者からロボットの所有者に移転しかねない。ロボットの所有者の大半は引退した人々だろうし、そうであれば若年層よりも貯蓄をしないと考えられる。

 すると、人的資本への投資は減ることになるだろう。若年層には、教育を受ける経済的な余裕がないかもしれないからだ。また、経済全体の貯蓄が減ることになるから機械への投資も減るだろう――というのである。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39930

まぁ短中期的にはこうしたことが起きる可能性が高いのかなぁと思ったりはします。長期的、それこそ技術的特異点を越えたりするような将来にはベーシックインカムなんかも実現するのかもしれませんけども、しかしまだ僕が生きている間にそういう時代が来るのかというと正直あまり期待はもてなくて悲しい。
おそらく今後の展開としては、これまでの流れにもあったように未熟練労働やら事務やらが粛々とロボットとコンピューターとに「下から」入れ替わって行くのでしょう。その意味でいうと当然真っ先に脅威に直面するのは所謂低所得な人びとではあるんでしょうけども、それでも私たちのような先進国であれば(社会保障や教育へのアクセスの容易さという意味で)まだマシな方で、「人件費の圧縮」という要素で見ればむしろようやく工業化に足を踏み入れつつある途上国たちのほうがずっと先に大きな影響を受けることになるのでしょう。



スイス国民投票で移民を規制へ NHKニュース
その意味で、興味深い感情の表れだなぁと思うのが、昨日の日記でも書いたスイスさんちの「移民規制」の動きだったりするんですよね。つまり、そのロボット化による生産性向上とその先にある『再配分』を(少なくとも従来の有権者たちにとって)公正に実現しようとするならば、その「金額」の大きさというだけでなく「範囲」も必ず定義しなおさなければならないわけで。
一体その再配分はどこまで恩恵を広げるべきなのか?
この辺り、ベーシックインカムをやろうと一部で盛り上がっているスイスさんちらしい動きではあるのかなぁと。