東アジア国際関係の崖

中国人民の忍耐の限界へと突き進む。


It's the government, stupid - maukitiの日記
ということで昨日の日記の微妙に続き的なお話。そんな混乱が一国内で完結していればまだマシで、それこそ中東のように周辺に輸出されたら一体どんなことに。
ロバート・カプランによる中国の戦略分析 : 地政学を英国で学んだ
故に最近の中国さんちのあまりにもやり過ぎな振る舞いは「お家事情」に由来する、というお話。まぁ中国さんちもやっぱり大変なんですよね。それこそ私たち(それなりに安定した民主主義政治が根付いているはずの)先進国ですら、経済の後退期には不平等・経済的格差の問題は大きな騒動を引き起こさずにはいられない。政権の正統性を常に問われ続ける『投票』なんて存在しない――事実上の独裁体制にある彼らなら尚更。
故に彼らはこれまでの絶対的な正統性の象徴でもあった「経済成長」の代替となるものが、これから益々必要となってくるわけで。

●ここには一つの皮肉が見える。独裁者たおいうのは、少なくともその定義からして、国民の総意にしばられることはない存在である。ところがこの場合や多くのケースと同様に、独裁者というのはそれが非生産的であることを知りつつも、国民からの支持を必死に得ようと努力せざるをえないのだ。

ロバート・カプランによる中国の戦略分析 : 地政学を英国で学んだ

で、支持=正統性を得るためにこそ、かつての偉大な中国を復権させる為に彼らはより攻撃的になっていくと。私たち日本にとってどうしても避けられない現代中国さんちとの付き合いを続ける上で、この前後関係はきちんと理解しておかなければならないよなぁと。つまり彼らの現状の行動はトップダウンな欲望として発露されているだけではなくて、ボトムアップな不満をどうにか緩和しようとしての帰結として現状の振る舞いにもなっている。
古くて新しい中国ナショナリズムの帰還 - maukitiの日記
まぁこの辺は以前も書いたお話ではあるので既定路線と言えばその通りなんですが。
オーストラリア近海にまで出て来た中国海軍: 極東ブログ
Sea Change of China Power | RealClearWorld
【経済裏読み】「世界戦争も辞さず」に凍りついた会場 ダボス会議で出た中国の“本音” (1/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK
多少ペースは落ちるにしても、現状のままでいけば「時間は中国に味方する」のは間違いない。しかし、それでも、彼らにそのようなのんびりと決定的な相対優位が築かれる時間を待つだけの精神的余裕があるのかというと、やっぱりそうではないんですよね。そんな彼らの振る舞いについて、幸か不幸か、どちらなのかと聞かれると正直困ってしまうよなぁと。


更に一方の反対側に立つ挑戦される側に立つ側にとってもそれは同じであると。前にも後ろにも進めない。中国は内側を、周辺国は外を見ながら、どちら戦々恐々と圧力が高まっていくのを見つめている構図。
東アジアこわい。