パクスアメリカーナ以後の世界にこんにちは

そして歴史は終わらず、また動き出す。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40153
まぁ今回のウクライナ危機ってそれ単体についてはともかくとして、しかし、大きな流れの中で見ればこうした「後の類似事例への影響」の方がずっと大きな問題として立ちふさがっていくのだろうなぁと。つまり、21世紀国際関係の試金石であると。

ロシアとの争いは世界的な意味合いを持つ。というのも、これは潜在的に、いずれ中国を相手に繰り広げられることになるかもしれないもっと大きな争いのテストケースになるからだ。対ロシア関係と同じように、米国は世界経済にとって欠かせない国でもある中国とも、次第に敵対的になる政治的、戦略的関係に置かれている。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40153

その意味で重要なのは今回のウクライナ危機の着地点ではなくて、むしろその過程――緊張緩和の交渉プロセスや経済制裁そして各国間の協力体制を如何にして構築できるか、といった中身の方なのでしょう。おそらく高い可能性でありそうな『次回』には、まさに今回の件が雛型として扱われるだろうから。
ノーマン・エンジェルさんの『大いなる幻想』の二面性 - maukitiの日記
以前の日記でも少し書きましたけども、次にやってくるのは前回のアメリカ一極時代とも、経済的にも政治的にも完全に分断されていた冷戦時代とも、それこそ核もなかった大戦期とも違う新たな国際関係が始まるわけです。今回のウクライナのそれは、『アラブの春』に続いてやっぱりそうした地政学上のより大きな流れとしての象徴的な出来事であるのだろうなぁと。
一極世界から多極世界へ。まぁそれを進歩と呼ぶべきなのか、それとも後退と呼ぶべきなのかはともかくとして、どちらにしてもその過程において所謂「断層線」のような地域が再び大きな意味を持つようになってくる。中東でも東欧でも東アジアでも南米でもアフリカでも。私たちはこれから21世紀の国際関係を生きるにあたって、こうした『断層線』での競争的衝動をいかにして対応し管理していくかこそが決定的な意味を持つようになるのでしょう。
それが場当たり的な対応がなされるのか、それともしっかりとした意図の下に計画された対応となるのか。


まぁそこで今後もリーダーシップを採るべきアメリカ=オバマさんはどう見ても前者にしか見えない辺り、これからの「多極化世界」で生きるのは中々大変そうだなぁと前途多難に思ってしまいますけども。