理屈じゃないのよ捕鯨禁止は

はっはーん。


国際司法裁判所、日本の調査捕鯨に停止命令 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
豪とNZ、日本の調査捕鯨中止を命じたICJ判決を歓迎 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということで負けちゃったそうで。うーん、まぁ、身も蓋もない言い方をすれば16人の今回の判決における裁判官の捕鯨是非についての出身国のポジションそのものな結果――捕鯨支持の日本含む4か国が中止反対し、逆に反対だった12か国と元々中立な2か国が賛成――だったので、これを覆すのはまぁ無理だよね、とあっさり諦めるのがベストではないでしょうか。
シーシェパードのいちばん馬鹿な点 - maukitiの日記
昔の日記でも書きましたけども、現代ではもうクジラなんて積極的に消費者が好んで食すようなモノでもなくなりつつあり、この傾向は今後戦中戦後世代が消えゆくことで更に進むでしょう。それなのに、あのシーシェパードさんのような人たちが無駄に煽ったからこそ余計にこちらの反発が強まったという要素もあるのでしょうし。
まぁ「損して得とれ」というお言葉もあるように、たとえ不満があろうとも既存の国際秩序の仕組みを守る=現状維持の勢力である、という外交姿勢を示す為にも(上述したように国内的にも「そこまで」影響はないのだし)判決に素直に従うのは日本にとってそこまで損をするような選択肢ではないと思っています。
そもそも負けたときのことを考えておいてあるからこそ、この裁判を日本は受け入れたわけだし。今度やってくる豪首相にも安倍さんが直接に「残念に思うが、しかし日本は従う」とか言えることができれば、昨今の国際情勢を見る限り、上手い外交アピール――それこそ対露制裁にただ参加するよりもずっと――なるんじゃないかと。





しかし、このオーストラリアさんちの「南極での」捕鯨にここまでこだわっているのって、どう見てもその(棚上げされているはずの)領有権に絡んでいる辺りもこのお話の愉快なところだと思います。

 オーストラリアが提訴した今回の裁判は、調査捕鯨の中止を求めて国際法廷に訴えられた初めてのケース。提訴の先頭に立ったのが当時環境相だったギャレット氏だった。「(判決は)何の疑いもなく明確に、今後は南極海で科学の名のもとに捕鯨が行われることはないと意味している。私はそう思っている」とギャレット氏は語った。

豪とNZ、日本の調査捕鯨中止を命じたICJ判決を歓迎 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

彼らはそこを自分の庭だと確信している。


今回の捕鯨裁判をめぐって明らかになったことは、結局のところ問題はこうした所に行き着くわけで。科学的根拠があろうがなかろうが、反対は反対である、なんて。彼らは「科学の名の下に」捕鯨をすることにそもそも拒否している。

ニュージーランドのマレー・マカリー(Murray McCully)外相は、ICJの判決を「日本の捕鯨計画の合法性に巨大な銛(もり)を打ち込んだ」と評価する一方、科学的根拠に基づけば南極海捕鯨再開を模索する余地を日本に与えるとの懸念を示し、そうした捕鯨を日本が行わないよう外交的な対話を続けていくと語った。

豪とNZ、日本の調査捕鯨中止を命じたICJ判決を歓迎 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

まぁ日本における不満のある人々は、それこそパリ講和会議国際連盟の草稿を練っているとき、日本の要求した『人種差別撤廃』と『宗教の自由』が欧米列強の皆さんに無碍に断られたことを思い出せばいいんじゃないかな。そして21世紀の今を振り返ってみれば、こういう世界な訳だし。いつだって必ずしも正しい方が勝つわけではないよね。
いやぁこくさいちつじょってすばらしいよね。


ということで悔しい人は上記を暗示させるような形で、歴史が正しいと証明してくれるだろうがしかし今は従う、とか捨て台詞でも吐いておけばいいんじゃないかな。