(地球温暖化対策なんていう)贅沢は敵だ

地球は皆のモノだからこそ、解決しない。


CNN.co.jp : 温室効果ガス、「今世紀末にほぼゼロ必要」 IPCC - (1/2)
温暖化と貧困 リスクが高いのはどちら? 先進国も途上国も抱える問題 WEDGE Infinity(ウェッジ)
ということでIPCCは、例によって例のごとく、ぼんやりとしたことしか言えなかったそうで。

解決手段としては化石燃料から代替エネルギー源への切り替えや、二酸化炭素(CO2)を地中に貯留する技術の改良、各国政府による炭素税の導入などが挙げられる。エデンホーファー氏によれば、こうした対策には「相当の投資」が必要になり、その影響で今後100年間の世界経済の年平均成長率は2%前後から1.94%に下がることが予想される。同氏は「気候変動対策はただではない。しかし代金を支払う価値のあるものだ」と強調した。

CNN.co.jp : 温室効果ガス、「今世紀末にほぼゼロ必要」 IPCC - (1/2)

いやまぁ、結局「誰が」「どれだけ」払うのか、という点こそが重要なわけですけども、やっぱり今回もその方向性さえ出せなかったと。

 最貧国を含む多くの途上国では、貧困からの脱失が優先し温暖化対策のために二酸化炭素排出量の削減を図ることは難しい。途上国の立場ははっきりしている。「温暖化を引き起こしたのは産業革命以降二酸化炭素を大量に排出した先進国だ。途上国の温室効果ガスの排出量は、今後増加するが、それは近代化のためには仕方がない」ということだ。
 以前、気候変動に関する会議で、先進国と途上国が将来の排出責任について議論を行っている最中に、途上国代表の一人が「我々に貧乏のまま我慢しろというのか」と非公式に発言した。これが途上国の偽らざる気持ちだろう。温暖化か貧困対策かの選択肢では優先度は貧困のリスクということだ。

温暖化と貧困 リスクが高いのはどちら? 先進国も途上国も抱える問題 WEDGE Infinity(ウェッジ)

身も蓋もない真実ではありますよね。端的に言って、「環境への関心」というのは贅沢な悩みである。
それは、セレブな奥様が自分の愛するペットの健康のために餌をどのメーカーにしようかという真剣な悩みと、今日のパンを一体どうやって確保すればいいのか途方に暮れる貧困者たちが同居する我ら素晴らしき世界の縮図でもあります。そして、もう一つ私たちが認識すべき事実として、この温暖化問題という世界的規模で考えなければいけない議論は、その規模故に常に「タダ乗り」できるという誘惑がそこにあるわけですよね。つまり、究極的には自分だけは守らずに他の人が全員負担を背負ってくれても基本的には問題は解決する。


その贅沢な悩みについて。ならば余裕のある奴こそがそれをやればいいではないか、というある種当然の考え方をする人たち。
一体誰がババを引くのか?


典型的な公共財問題。共有地の悲劇。その意味で言えば、そこで『排出権』という解決策はまぁあんまり良いやり方だとは決して言えませんけども、しかし、それでも、何もしないよりは少しだけマシな選択肢ではあるんですよね。