オバマさんのラストリゾート

アジア以外全部沈没中。


日米首脳会談 TPPと同盟強化が焦点 NHKニュース
ということで久々に国賓待遇の米国大統領としてオバマさんが来日するそうで。それこそ「イラクアフガニスタン後」の大きな目標としてピボット先の最重点地域と見ようとしていたはずの東・東南アジアではありますが、気付いたらそれ以外の所で大騒動なっちゃったっていうアメリカ=オバマさんの愉快な現在ではあります。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40510
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40499
で、こんなことも言われてしまうと。進むも地獄、退くも地獄。一周回ってどうにかこうにか均衡されているだけ、むしろ現実に炎上しているシリアやウクライナと比べるとなんだかマシに見えてしまうっていう有様。あちらは最早「事後」対応が問われているけれども、こちらはまだどうにか「事前」対応こそが問われているから。

中国の反応は、リバランスを難しくしている様々な要因の中でも、最も根源的なものと言えるだろう。米国は、中国を封じ込めようとしているのでも、その台頭を妨害しようとしているのでもないと主張している。

 しかし、もし本当にその通りなら、自国の安全保障にとって明白な関連性が何もない島や珊瑚礁岩礁の防衛について、米国が揺るぎない軍事的関与を行うと、どうやってアジアの同盟国に説得力ある形で伝えられるだろうか?

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40499

こんな状況下ではオバマさんは、如何にして現状の均衡状態を維持していくかが問われることになるのでしょうけども、やっぱりそれを強調しすぎては中国の猛反発を受けかねないし、かといってメッセージが弱すぎると同盟国に対して更なる不信感を抱かれかねない。やっぱり進むも地獄、退くも地獄。



日米首脳会談、同盟強化を一番期待=麻生財務相| ワールド| 米国| Reuters
ともあれ、こうしたオバマさんの綱渡りな外交状況ではありますが、皮肉なことにこうしてオバマさん=アメリカ側の対応こそに大きな期待と不安が掛かれば掛かるほど――同じく皮肉にもTPPのそれと同じく――半ば覚悟の決まっている安倍さん=日本側の立場として構図がシンプルになっている現状というのは、それなりに面白い状況だなぁと。攻防の明確化。日本が強く要請し、一方アメリカはその要請に伴う国内政治の対立に直面する。典型的な二期目米国大統領の様相。
まぁそれをアメリカ丸投げと言ってしまっては身も蓋もありませんけど。