コンシェルジュドクターというものがありまして

「追加の金」さえ払えばそうした順番待ちを素っ飛ばせる素晴らしき資本主義社会。


慈恵医大病院で散々待たされた挙句診察受けられず1080円払って次の仕事に行った話 | ホリエモンドットコム
ホリエモン「大学病院で予約時間に行ったのに長時間待たされる、ダメだな日本の医療業界」ツイートに賛否 | ガジェット通信 GetNews
うーむ、なるほど。まぁ多かれ少なかれ「病院の待ち時間がむかつく」という意見には誰しも頷くしかありませんよね。ただ解決方法がまったくないのかというとそんなこともないわけで。もちろん今回の彼のような事後診断に完全に当てはまるようなお話でもありませんけど、つまり身も蓋もなく『金』を払うことで、そうした煩わしい順番待ちの時間を無くすことだってできる制度。
予め年会費(だいたい相場で100万〜200万円くらい?)を払うことで、かかりつけ医師への無条件で独占的なアクセス権を手に入れることが出来る。24時間待ち時間なし。
救命医ハンク セレブ診療ファイル - Wikipedia
アメリカなんかでは、こうしたセレブ達の為の『コンシェルジュドクター』というのは既に連続ドラマのネタとして扱われていたりもする。結構面白いですよねこれ。
むしろ意外だったのはお金持ちでホリエモンさんのようなキャラクターのお人――経済的合理性を重視する人――ならばそうした「ファストトラック」な金持ち優先手続きって当然やっているのかと思っていたんですが、きちんとわざわざ並んでいたんですね。このお話ってそっちの方が面白いニュースな気がします。それでいて「かーっ、順番待ちだるいわー!」とやっているのは何だか地獄のミサワ的な風景が思い浮かんでしまう所ではあります。いやまぁなんだかんだでセレブとは決して言えない庶民派な彼らしい振る舞いといえばその通りなんでしょうけど。


ともあれ、こうしたコンシェルジュドクターって当然『負の側面』もあったりするわけで。
そもそも何で病院で待ち時間が発生するのかって、もちろん予約システムの後進性やあるいは診察費の安さなどもあったりするんですけど、ただそれ以上に根本的なお話として医師一人当たりが診なければならない患者数多すぎて予約を一杯に詰め込まなければ回せないからという問題がある。あまりにも診なければならない患者が多すぎる。
上記コンシェルジュドクターはその患者数を予め制限することで、優先的なアクセス権を確保しているんですよ。そしてその制限の為の基準と言えば「カネを払えるかどうか」という一点に尽きる。
そしてそんな患者に優しいコンシェルジュドクターたちが増えれば増えるほど、その制限された患者数の圧迫は、そうではない医師たちへ振り分けられ更に待ち時間が伸びていく。でも仕方ないよね、だってお金を払えないのが悪いんだから。いやぁ市場原理ってすばらしいなぁ。



『医療』に効率的な市場を持ち込むことの是非。まぁ難しいお話ですよね。ホリエモンさんのアイディアが、この辺のジレンマを解決できるような素晴らしいベンチャーであることを祈っております。
みなさんはいかがお考えでしょうか?