そして第二次対テロ戦争へ

「長期的に取り組もう」から「さっさと撤退」を経て、もう一度「長期的に取り組もう」へ。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41727
「茨の道」の通り、前途多難な大戦略だよなぁと。オバマさんにとっても、アメリカ国民にとっても、ひたすら難題。

これらの課題を成し遂げるには、イラクでは何カ月、そしてシリアでは何年もかかるだろう。

 ある点で、時間はオバマ大統領に味方している。ISの残虐性と不当性は、最も強硬な立場を取る人々以外には全く受け入れられていない。しかし、他の点では、時間は大統領の敵だ。米国の政治が、忍耐心という美徳を発揮することはまずない。

 ISに集団で対抗しようとしている国々にしても、一時的に利害関係が一致しているにすぎない。遅かれ早かれ、これらの国々は再び対立し始めるはずだ。連携が弱まれば、計画全体の勢いと正当性が失われてしまう。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41727

ただ、これってやっぱり対テロ戦争の二幕目、前回米国大統領の名前と「IS」の部分を「アルカイダ」に変えたらあの時の議論とほとんどそのままですよね。実際、イラク戦争はともかくとして、子ブッシュ政権はアフガニスタンではかなり広範な有志同盟を構築するのに成功したわけで。その上で「更なる戦果」をあげようとして、支持を得られないままあのイラク戦争へと突入していった。今回は絶対同じようにならない、と言い切ることもできないよなぁと。だってイラクをどうにかするにはシリアをも射程に入れざるを得ないものの、ところが今回も同じく――あるいは真逆に――イラクでの攻撃の支持はあるものの、一方でシリアへの同時攻撃に関してほとんど国際的な支持を得られていないまま、オバマさんは攻撃することを明言している。


対テロ戦争には長期的な外交政策と、そして長期的な国民世論の支持が欠かせない。そしてやっぱり用意できたのは「限定的な」有志連合だけ。ほとんど同じことを言っていたあの時を振り返ると、やっぱりいろいろ示唆的ではあります。13年ぶり二度目の対テロ戦争
あの二度の世界大戦と同じく、一度目の戦後処理に失敗した結果、半ば必然の帰結として再び同じ戦場で戦うことになった人たち。いやぁひたすら皮肉なお話ですよね。


今度こそ、上手くいくといいね。