オバマ氏の華麗なる「チェンジ!」外交政策ver

そういえば最近もうめっきり聞かなくなった言葉だなぁ。


米軍、シリアでイスラム国への空爆を開始 「友好国」も参加 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
時事ドットコム:シリア、米軍空爆を支持
時事ドットコム:安保理決議は不要=アサド政権同意なら空爆容認−ロシア外務省
ということでシリアへの空爆ですよ! くうばく!

 【ダマスカスAFP=時事】シリア外務省は23日、米軍による空爆後に声明を出し、「イスラム国やテロリストと戦う国際的努力を支持する」と述べた。(2014/09/23-19:07)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201409/2014092300452&g=int

まぁ空爆開始はともかくとして、むしろ重いニュースなのは事実上のアサドさんの「空爆容認」という方でしょう。あれほど不倶戴天の敵なアサドさんだったはずが、数年でこうなっちゃうなんて。化学兵器使用問題でレッドラインと言いながらほぼ武力介入一歩手前までいっていたわずか1年前で、ずいぶん様変わりしたものであります。不謹慎なお話ながら、激動の国際関係という感じで面白いなぁと他人事であることを感謝しつつ思ったりします。
これはまぁオバマさんとアサドさんによる、ぶっちゃけ『密約』の一種なんでしょうねぇ。おそらく政府軍を直接目標にしない代わりに、彼らは黙認すると。となるとアサドさんの後見人でもあるロシア(及びイラン)も上記ニュースにあるように一枚噛んでいるだろうし、つまりウクライナに関わる問題でもバーターとして内密のやり取りもあったことでしょう。このシリアの動きを見ても、最早欧米からの関心を失い、つまり領土を失ったままで現状固定なウクライナですわ。いやぁうくらいなかわいそうですねー。せめて日本はこうならないように気を付けよう。
これは世界にとっては小さな一歩だが、一人の人間にとっては偉大な飛躍である - maukitiの日記
ともあれ、先日の日記でも一体どうやってシリア空爆の正当性を得るのかという疑問を書きましたけども、こうなっちゃったかぁという感じであります。まさか誰とも手を組まないわけにはいかなかった以上、想定される予想の範疇ではありましたけど、実際に起きるとなるとやっぱり驚きであります。
イスラム国を倒すためにイランと手を組まなければならないのなら、組もう - 今日の覚書、集めてみました
まぁこうした伝統的な「敵の敵は味方」理論はイスラム国の劇的な台頭以来、結構言われていたお話でもあるんですよね。かつて70年以上前にあったように「ファシストに対抗する為ならば、共産主義者とも手を結ぼう」と同じ風景である、「原理主義者に対抗する為ならば、暴虐な独裁者らとも手を結ぼう」なんて。
ここで愉快なのは前米国大統領であった子ブッシュは第一次の『対テロ戦争』を戦うにあたって当時既に同じような地平に到達していたわけであります。アルカイダを打倒する為ならばアサドともプーチンとも手を結ぼう。そしてオバマさんも同じようにして、アメリカは「再び」同じ地平に立ちつつある。やっぱり第二次対テロ戦争だなぁ。


現実主義なオバマさんの真髄、イスラム国=敵の敵は味方である。その「チェンジ!」を進歩と呼ぶべきか、後退と呼ぶべきか。
みなさんはいかがお考えでしょうか?