ブランドとしてこの先生きのこる為に必須のマーケティング戦略

『品薄商法』以外にできることなんて、ほとんどない。


店員「妖怪ウォッチブーム早く終わって欲しい、孫に買いたい高齢層の「買えない」苦情がモンスターレベル、アニメ商品で店員のこころが壊れる現象が続いてる」|やらおん!
うーん、まぁ、仕方ない面はありますよね。もしそれをやらないとすれば、売れるだけ売り切って後はお終いという往って来いな商売にならざるをえないわけで。仮にモノが溢れてしまったら、その後に待っているのは価格競争だけ。それでは長期的価値を生むブランドを維持できるわけがない。「妖怪ウォッチ」というブランドでまだまだこの先しばらくは稼いでいこうと思うならば、その価値を下げるわけにはいかない。
中国をはじめとする原価の安さによる大量生産で勝負することは最早不可能な以上、ある意味でこれこそが将来日本企業がこの先生きのこるモデルの一つなのでしょうね。もちろん短期的な流行に終わってもまた新しく魅力あるコンテンツを生み出せばいいではないか、なんて正論を打つこともできますけど、そんな毎回上手くいくわけがない。だったら折角のヒット商品を長く続けていきたいと思うのは当然なお話でしょう。
それこそ世界中の有名ブランド企業たちがやっている、効果的で合法的なマーケティング戦略そのもの。
つまり、商品価値を下げないための「品不足状態」を積極的につくりだす。
この素晴らしき市場競争の極致にある現代社会で、不毛な値引き競争に陥らないようにするためにはまぁ概ねそうするしかないんですよね。まさか小売店に価格維持の為の圧力なんて掛けようとしたら、それって独占禁止法その他への違反行為とならざるを得ないわけで。彼らはただ単純に高く売りたいというよりも、むしろ自身の商品の「価値を下げたくない」からこそ、そうした防衛戦略を採るのです。そして偶にやり過ぎては価格固定戦術は法に触れたりする。
法律違反にならずに価値維持をしていく為には、合法的な品薄商法――とまではいかなくても「ギリギリ足りない」所で生産調整する――でそうするしかない。

妖怪ウォッチブーム早く終わって欲しい。お店は入荷日や入荷品目を直前まで知らされないし、限定量しか入ってこないのに、孫に買いたい高齢層の「買えない」苦情がモンスターレベル。罵倒しょっちゅう。買えなくて泣き出す子も続発。たのしいアニメ商品で店員のこころが壊れる現象が続いてる。

https://twitter.com/luvluv_tw/status/521195625363156992

子供相手にそれはどうなんだっていう正論はやっぱり否定できませんけども、でもまぁターゲットはそれこそ財布を握るパパママおじいちゃんおばあちゃんですしね。そのギャップこそが問題なのだろうなぁ。子供相手でありながら、しかし財布の中身として狙うのは別の場所。
クール・ジャパンの行き着く果て。


ただまぁやっぱりこれはこれでそう簡単ではない茨の道でもあるわけです。今回のようなクレーム対応もそうだし、絞りすぎると顧客から見放されるし、転売やら偽物だって生んでしまう。


大ヒット生み出したバンダイさんの成功と、それを出来るだけ長期的に維持したい故のジレンマなお話ですよね。