情報伝達の速度差に潜む差別

多分今週来週は月末&ネトゲアプデによる縮小日記なのでごりょうしょうごりょうしょう。


エボラ出血熱 米で行進「偏見やめて」 NHKニュース
そういえばアメリカさんちのエボラもなんかもう色々大変だそうで。そりゃオバマさんもまるでカイワレ食べて安心前言のように、元患者にハグしちゃいますよね。
オバマ大統領、エボラ熱から回復の看護師とハグ - WSJ
写真を見ると結構ガッツリな抱き具合に、これを見た当初はわざとらしい(オバマさんらしい)パフォーマンスしているなぁと思ったら、上記のような空気感があるとなるとそれはまぁ納得するしかないなぁと。もちろん、やっぱり中間選挙が目前で、選挙争点の最重要の項目に上がるようになっているエボラ対応に熱心さをアピールする目的も当然あるんでしょうけども。

こうした状況に不安が広がるなか、ニューヨークで24日、アフリカからの移民で作る団体が、エボラ出血熱の感染拡大の防止とともに、アフリカ系の住民への偏見をやめるよう訴えて行進しました。
行進には西アフリカからの移民などおよそ80人が参加し、「汚名を着せないでくれ」などと声を上げながら横断幕を掲げ、ニューヨークの中心部を歩いていました。
現地の報道によりますと、エボラ出血熱を巡って、アメリカではリベリア人の男性の感染が確認されたあと、アフリカ系の住民が職場の上司から理由もなく仕事を休むように言われたり、握手を断られたりするなど、偏見が広がっているということです。
参加者の1人で西アフリカのギニアから移住した男性は「お金にエボラウイルスがついているからと、アフリカ系住民が買い物をさせてもらえないケースもある。大きな問題だ」と話していました。

エボラ出血熱 米で行進「偏見やめて」 NHKニュース

ともあれ、まぁ私たち日本がまったくもって笑える風景でもありませんよね。数年前にあった――ついでに未だも頑張ってる人たちもいる――福島に対する風景そのもの。単純に悪意というよりは、善意溢れる人たちによる愉快な所業。ほんとうに善意から、無邪気に差別に走る人たち。
なぜネット上では「ウソ」が真実よりも拡散されてしまうのか? - GIGAZINE
で、このお話を見ていて連想したのが昔から研究されている『ウワサ』『デマ』『ウソ』拡散の仕組みについてのお話。

かつて2ちゃんねるの管理人が「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」と言ったとおり、インターネット上にある情報は玉石混淆。真実が書かれている一方でウソの情報も多々あり、わざとではなくてもウソの拡散に一役買ってしまうことがあります。このとき、後から誤りを訂正したり、ウソであると暴いた情報が出ることがありますが、コロンビア大学の研究により、こういった情報は共有されにくく、ウソは拡散されやすいということが確認されました。

なぜネット上では「ウソ」が真実よりも拡散されてしまうのか? - GIGAZINE

あの時や今回のように、こうして解りやすく面白いネタ「だからこそ」人びとの口と手によって消費されていってしまうと。拡散速度を決めるのは情報の角度や信頼性ではなく、ネタとして面白いかどうかでしかない。そしてその後にやってくる地味な真相や訂正情報やらは、なにより速さが足りない故に、先行する情報拡散に追いつけない。



あの管理人さんのお言葉「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」をもっと身も蓋もなく言ってしまえば、「うそはうそであると見抜ける人でなくても(現実世界で生きていくのは)難しくない」という辺りなのでしょうね。
がんばれ人類。