もぅマヂ無理。ゴルフしょ。

中間選挙敗北で加速する「弱小なオバマ政権」という国際的評価。



オバマ大統領の民主党惨敗、米中間選挙 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということであっさり共和党が勝っちゃったそうで。勝利自体は概ね予想されてはいたものの、もうちょっと接戦になるだろうとは言われていましたよね。

【11月5日 AFP】4日に投開票が行われた米中間選挙共和党が上下両院で過半数を獲得したことにより、与党・民主党バラク・オバマBarack Obama)大統領にとって残り任期2年の困難な道のりは確定した。

オバマ政権と不評な政策に対し有権者たちが抱く不満の波に乗り、共和党は100議席のうち36議席が改選された上院で少なくとも7議席民主党から奪い、2006年以来、8年ぶりに両院の主導権を握った。一方、435議席すべてが改選された下院では、2010年以来の多数派を維持したばかりか、さらに14〜18議席を上積みし、1946年以来となる最多議席数を獲得しそうだ。

オバマ大統領の民主党惨敗、米中間選挙 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

でも結果はご覧の有様っていう。かくしてオバマ政権のレームダック化は進む。


ただそもそも論をすれば、少なくとも国内的にはアメリカという国家にとってこれは健全性の証明でもあるわけで。だからオバマさんが続けてきた『議会共和党が賛成しないから悪いんだ戦術』というのってまぁ気持ち解りますが微妙にズレてるんですよね。本質的に連邦議会は米国大統領に敵対するものである。だからこそ歴代大統領の大多数はそうやって議会勢力から権力に制限を加えられてきたのです。別にオバマさんだけがその抵抗に直面しているわけではない。
何故ならアメリカ大統領は王様ではないし、政権与党党首でもないし、ついでに言えば総理大臣でもない故に。アメリカ人が愛してやまない合衆国憲法こそが、こうした状況を生み出すように企図していて、そのジェファーソン流民主主義――政府は弱ければ弱いほど良い――が今回も正しく現実のものとなっただけ。
その意味で言えば、オバマさんが「チェンジ!」宣言した一つでもある政府の機能不全の打破なんて言うこと自体が夢物語であったなぁと。特にあの1965年の『投票権法』以来、黒人支持層においても決定的に分裂の道を辿ってきた民主・共和の両党は、やっぱりこうして黒人大統領の誕生に際してもその隔絶は続いていたと。
基本的には中間選挙の影響は限定的であるし、他人事な私たち日本にそのまま直接関係あるかというとそうでもないと言えばその通りなんですけど。


しかしそのまま国外的にもそう言えるかというと、やっぱりそうじゃないのが辛い所でありまして。まさに激動の国際関係たる今、米国の外交政策の重要性がこれまで以上に高まっている2014年現在の状況において、こうした選挙で大敗北するオバマ政権の弱さというのは確実に良い影響をもたらすことはないでしょうね。アメリカの意見は同盟国や敵対国問わず「これまで以上に」軽視されることは間違いない。ただでさえ口だけと見られているアメリカ=オバマさんの対応を、ウクライナやシリアイラクや東アジア等々の利害関係各国は益々信用しなくなっていくでしょう。
直接にアメリカの軍事的な『打撃力』が弱くなったわけでは決してない。ただ、アメリカが他者に「言葉を用いて」言うことを聞かせる能力が弱体化するのは避けられない。弱小政権を持つ弱い大統領による軟弱な外交政策を一体誰が真面目に聞いてくれるのか。
中国“サンゴ密漁船”が6倍に増加 NHKニュース
昨今本邦でも話題になりまくっている赤サンゴの密漁云々のお話もそういう観点から語られていたりするわけで。日本とその背後にあるアメリカの対応を探るための威力偵察的な中国いつものやり方、という見方はそれなりに説得力があるんじゃないかと思います。


それこそアメリカ国内的にはもう終わった政権として残り任期も優雅にゴルフでもしてればいいと思いますけども、しかし国外的には残り2年アメリカが動けないとなると大問題だよねぇと。ヨーロッパではウクライナ問題、アフリカではエボラとイスラム過激派、中東ではイスラム国、東アジアで中国と、見事によりどりみどりですよ。
オバマ政権の中間選挙の敗北は、こうした各地で頻発する国際関係の混沌を減速することはありえず、むしろ加速させることは間違いないでしょう。
果たしてオバマさんは、今更ながらに、手を打つことができるのか?


みなさんはいかがお考えでしょうか?