100年位前にも見た日本海海戦的イベント

海軍ひいては国家そのもののパワーバランス変化の象徴としての政治事件。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42284
中々面白い評論。幾つか日記を書けそうなネタはあるけれども、冒頭の中露海軍合同演習について。

 何世紀もの間、欧州の海軍は世界中の海をうろうろしていた。探検をしたり、貿易をしたり、帝国を打ち立てたり、戦争をしたりするためだった。

 そう考えると、中国の海軍の船が来年の春にロシアとの合同軍事演習のために地中海に姿を現すことは、かなり重要な節目となる。この海軍合同演習の計画は先週、ロシアと中国の軍事協力について話し合う会議の後に北京で発表された。

 欧州文明の伝統の中心である海に艦船を浮かべることに、中国が象徴的な意義を覚えることは間違いあるまい。だが、ロシアと中国はそれ以上に、国際情勢について1つの重要な申し立てをしている。どちらの国も、自国の国境付近での西側諸国の軍事行動に異を唱えているのだ。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42284

こうした海軍力から見るパワーバランスの変化、というネタを見るとやっぱり思い出すのは『日本海海戦』かなぁと。実際、それまで欧米の独壇場であった海軍力に決定的な一石を投じたのがあの大きな政治事件だったわけですよね。1905年にロシア艦隊が日本に敗れたことは、ヨーロッパ諸国「以外」の海軍力台頭を示すメルクマールとなった。故にあの戦いは単純に日本国内というだけでなく、ヨーロッパ以外で起きた産業革命の成功国として、世界史的に見ても大きな事件としてある。


結局、あの時の日本は最終的にせいぜいが太平洋とインド洋の半分程度までしか活動圏を広げられなかったわけですけども、しかし現在の中国はロシアとの協力によってそれをヨーロッパの庭に等しい地中海にまで広げようとしていると。
その意味で、やっぱり「中国海軍が地中海にやってくる」象徴的な意味は大きいのでしょうね。日本海海戦に連なる世界のパワーバランスの変化――まさにあの時の日本台頭がアジアとヨーロッパの関係を決定的に変化させたように――を示す大事件として。