神様は何も禁止なんかしてない

(TTPの)力だけじゃダメだったし、(マララさんの)思いだけでもダメだった。



イスラム武装勢力が学校を襲撃、生徒ら141人死亡 パキスタン 写真13枚 国際ニュース:AFPBB News
パキスタン学校襲撃、世界中から非難の声 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということで140人が学校で撃たれたということで大きなニュースになっているパキスタンであります。いやぁあのマララさんの時から何も成長していませんよね。結局彼らは「学ぼうとする子供たち」を撃つのをやめられなかったし、かといってマララさんのあの大正論で切実な「ペンと教科書で世界は変わる」という訴えは(少なくとも短期的には)効果はなかったというひたすら救えないオチ。

 TTPは犯行声明を出し、今回の襲撃は周辺地域における軍による大規模な掃討作戦に対する報復で、戦闘員らは学年が上の生徒を撃つよう命じられていると発表した。2012年にTTPに銃撃され、今年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さんは、「無意味で冷血な」殺人に「心を痛めている」と述べ、襲撃を非難した。(c)AFP/Saad Khan

イスラム武装勢力が学校を襲撃、生徒ら141人死亡 パキスタン 写真13枚 国際ニュース:AFPBB News

「ペンと本で世界は変わる」ならば、それを変えたくない人たちにとって狙うものは…… - maukitiの日記
まぁ当初からうちの日記でも懸念していたような事態に見事になっちゃったねぇと。まさにマララさんを世界的なアイドルとして扱うものだから、彼女を憎む人びとにとって、彼女自身ひいてはその周辺価値観を象徴するもの自体に攻撃目標として大きな意味を持つようになってしまった。
以前にも迂闊に書いてしまったことように再び使えば、確かに戦略としては「合理的」ではあります。悪魔のような戦略という意味で「合理的」。相手にとって最も重要な信仰の根幹を狙うことで費用対効果に優れたダメージを与える。だからこそ古今東西の歴史でも、指導的立場にある有名人物は常に暗殺対象となってきたし、重要な場所やイベントは――それこそ『9・11』で狙われたツインタワーのように、より大きな心理的ダメージを与える為の攻撃対象となってしまう。
アイドルは破壊されるべきである - maukitiの日記
でもアメリカのアフガニスタン及びパキスタンでの対タリバン戦争を手助けしようとする国はどこにもなかった - maukitiの日記
であるからこそ、彼女の素晴らしい理想は理想として、大人がサポートしどうにか守らなければいけなかったはずなのにね。ただ冷笑的に物理的な暴力を無視しているよと上から目線で現実主義を語ってみても、だからといって理想なくしては進歩はないのだから。子供に(危険があるとわかっていることを)言わせるだけ言わせて、後は放置だとか最悪ですよ。かといってじゃあ何をすればいいのか、と言われると僕にはさっぱり解りませんけど。TTP全員ぶっころで解決するのかな。


教育の重要性を訴えることでマララさんがノーベル平和賞を受賞したほとんど直後、こうして史上最悪の学校襲撃が起きる悲劇。
改めて現代世界の縮図であると言ってしまうと身も蓋もありませんけど、まぁほんとハラショ―すぎて、マララさんにしてもTTPにしても、どちらの意味でも「神様は何も禁止なんかしてない」のだなぁと思わず微妙な懐メロを思い出してしまいます。


がんばれ世界。